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【私立大学対策シリーズ⑥】慶應義塾大学文学部英語対策

この記事の対象:慶應義塾大学文学部志望の受験生

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慶應義塾大学文学部英語試験の傾向と対策

 

今回は慶應義塾大学文学部英語試験の傾向と対策についての記事です。他の学部と比べてかなり特徴的な試験になっているので、適切な対策をしていけば高得点が狙えます。

 

それでは早速傾向についてですが、なんと2014年以降は大問は1つになっています。単語量は2016年度に1400語程度と大幅に減少しましたが、2017年度は2200語を超え、2018年度は2000語程度、2019・2020年度は1900語程度で推移しています。

 

設問は、記述式の問題が多く、英文和訳・内容説明・和文英訳といったものを中心に出題されています。英文量が多く語彙レベルも高いので、普段から高いレベルの単語帳を覚えておく必要があります。ただし、下線部和訳の対象になっている箇所は構文上のポイントが明確であり、和文英訳も本文中の表現を利用して書くことができることが多いので、合格点をとれるかが決まるのは内容説明問題になってきます。

 

また、慶應義塾大学文学部英語試験の最大の特徴として、辞書(電子辞書は不可)の使用が許可されているというものがあります。わからない単語が出てきたときには辞書で調べることができますが、闇雲にわからない単語を全て調べていては時間を多く使ってしまいます。英語長文の内容自体のレベルが高く、わからない単語全てを辞書で調べる時間は実際にはありません。普段から「鉄壁」ぐらいのレベルの英単語帳を覚えておき、より専門的な単語を覚えるために「リンガメタリカ」を覚えておくことが望ましいです。これらの単語帳を極めた上でわからない単語を本番で調べるようにしましょう。

 

 

 

英文和訳問題は、京都大学などの抽象度が高い英文を出題してくる難関国公立大学に匹敵するレベルの問題が出題されます。下線部には省略、倒置といったパッと見では難解な構文が使われていることが多く、抽象的で意味が分かりにくい文章の一部に下線が引かれていることが多いため、その下線部付近の本文の内容を理解することができなければ、解答するのが難しいでしょう。英文の構造自体はそれほど難しくないかもしれませんが、自然な和訳にするために普段の学習で下線部の英語表現の意味を崩さずに自然な日本語を使ってやるという演習を積んでおく必要があります。

 

こういった力を養うためには「入門英文解釈の技術70」から「基礎英文解釈の技術100」、「英文解釈の技術100」で英文解釈の型を形成したあとに、より長い文章での英文解釈力を養うために「英文解釈教室」や「英文読解の透視図」で演習を積みましょう。この演習では、構文に含まれている表現などをしっかりと訳に反映させつつ、自然な日本語でまとめてやるという意識が必要です。

 

問題集の解答と見比べてみて明らかに異なっていればその時点で修正できますが、解答例に載っていない訳ではあるが自分では自然な日本語だと思えるものは是非添削指導に回しましょう。第三者に修正を加えてもらうことで、自分の訳のクセを少しずつ修正し、より訳の幅を広げることができるのでおすすめです。

 

 

内容説明問題は例年数問出題され、そのうちの一つは100字を超える記述問題となります。この問題は配点も当然高いと思われるので、ここでいかに点数を落とさないかが英語試験で合格点を取れるかどうかが決まってきます。本文も非常に長いため、まずは解答を構成する箇所を特定することができるようにならなければなりません。ここは普段から英文の流れを意識した読み方をしておく必要があります。英語長文の問題集で演習をするときは段落ごとに何が書かれえていたのかをメモしておき、文章の流れを後からすぐに思い出せるようにすることを心がけましょう。

 

また、解答の根拠が分散している場合も少なくないので、必要だと思われる要素を見つけたうえで一旦解答を作成し、字数がオーバーしていたら優先順位の低い要素(なくても解答の論理構成が崩壊しないもの)から削っていき、字数が足りないようであればまだ使用していない要素を拾ってくるようにしましょう。いきなり解答用紙に解答を書こうとするのではなく、必ず下書きをして解答を練り上げていきましょう。

 

英語長文のおススメの参考書としては「やっておきたい英語長文700と1000」と「英語長文のハイパートレーニング②③」があります。これらの参考書を上記のことを心がけながら演習していき、解答のスタイルを確立させてから過去問演習に移りましょう。

 

 

 

和文英訳問題は分量は少な目で、表現自体も本文中から取ってこれることが多いですが、そのような表現をうまくみつけることができない場合はやはり自分で英作文を構成していく必要があります。出題のレベルはそこまで高くないので、対策としてまずは「竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本」で「自分が正しい英語表現に直すことができる日本語に問題文を言い換えてから英訳する」という英作文の鉄則を身につけましょう。この一冊を完璧にした後は余裕があれば「よくばり英作文」などの英語表現集で英語表現をどんどん覚えていくことが理想ですが、配点が説明問題の方が高いと思われるので英語長文自体の対策をまずは完全にこなしておくことが必要になります。

 

これらの対策は英文法は完全に習得したうえでNext Stageなどで十分に演習を積んでおいて、単語レベルは「システム英単語」や「ターゲット1900」ぐらいまでは完璧に覚えているという状態でなければこなすことができません。基礎がまだ確立されていない状態の方はまず、基本レベルのことをおさえてからじっくり対策に取り組むようにしましょう。千里の道も一歩からです。