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【共通テスト対策】地理で90点以上を取る勉強法

この記事の対象:共通テスト地理で高得点を取りたい受験生

この記事を読むのにかかる時間:5分

 

 

 

共通テスト地理の傾向

 

共通テストはまだ一回しか実施されていませんが、今年の共通テスト地理の出題内容は以下の通りでした。

各大問の分野構成は試行調査と同様でした。センター試験と比べて大問が一つ減っており、「地誌」の大問が一つ削られた。しかし、内容が一部複雑になっていたり長文が与えられたりしていたので時間的にそこまで余裕が生まれるわけでないと思われます。

第1問
A(気候と自然災害)、B(山岳の自然環境)に分かれて出題。
問1では仮想大陸が扱われ、比較の技能が問われた。

第2問
「産業」がテーマとなった。問3では仮想地域の工場立地が問われたが、試行調査の類題だとみられる。

第3問
センター試験では「都市・村落と生活文化」に関する大問が置かれていたが、今回の共通テストでは「都市と人口」が扱われた。

第4問
地誌の問題として「アメリカ合衆国」について、A、Bに分けた出題となった。
問6では過去の大統領選挙における州別の共和党・民主党の選挙人獲得数のデータが題材となった。

第5問
センター試験の第6問と同様の「地域調査」に関する出題であった。
題材となった京都府に関する知識ではなく、図版・資料の読み取りが鍵となった。

 

また、大学入試センターが打ち出している地理Bの出題意図としては試行調査の時に以下のように述べられています。(平成31年度試行調査参照)

 

第1問 
世界でみられる多様な地形・気候に関して,様々なスケールや地点における諸事象の規則性と地域的
特色を見いだす力や,地形・気候及び自然災害といった自然環境と人間生活との関わりなどについて考
察する力を問う。

 

第2問 
世界の資源・工業に関して,図や表など多様な資料から読み取った指標を基に各国の状況を比較し,
世界的視野から資源や工業についての状況を考察する力を問う。また,二酸化炭素の排出量とその時間
的推移から地球的な諸課題に対する取組の地域的な特色について考察する力を問う。

 

第3問 
世界における生活文化の多様性に関して,民族・宗教及び衣食住を様々なスケールでとらえ,自然環
境や歴史的視点も踏まえながら,それらの空間的変容や時間的推移について考察する力を問う。学習成
果を学校の文化祭で発表する場面を通して,多面的・多角的に探究し,考察できるように工夫した。

 

第4問 
オセアニアを対象として,主題図や写真などの資料から自然環境,人間生活及び社会状況について地
域の特色を見いだす力を問う。また,対象地域を特徴付けている人口移動に着目して,比較地誌の視点
から共通性や差異性について分析するとともに,その要因を考察する力を問う。

 

第5問 
生活圏の地域調査に関して,複数の種類の資料から取り出した情報を統合し,地域の特徴や課題につ
いて考察する力を問う。一つの地域が抱える課題を日本の地理的な諸課題へ一般化する探究過程を示す
よう工夫した。

 

これらを総括すると、地理に関する知識を単に詰め込むのではなく、 その地理的知識の持つ意味や役割、知識同士の対比や関連づけ、そこに潜む問題点などを考えながら見抜く力や、 知識の活用や資料の分析によって、「地理的な考察」をすることができるようになることが求められています。

 

それではこのような能力をつけるためにはどのような勉強をすればいいのでしょうか?自分がどの段階に今いるのかも考えながら読んでいってください。

 

 

①地理の基本的知識を把握する

 

地理的知識が全くない状態では、考察も何も始まりません。まずは初歩的な参考書で地理的知識を詰めていくことから始めましょう。簡単に読みやすいものがおススメなので、「地理Bの点数がおもしろいほど取れる本」が鉄板になります。

 

 

1周目は「地理はこういうことを学んでいくんだな」という雰囲気をつかむだけで構いません。2、3周目は少しずつ内容を覚えていきましょう。覚えるべきことは膨大に思われるかもしれませんが、インプットとアウトプットを重ねればだんだんと覚えられるので根気強くやりましょう。理想は共通テスト一年前ぐらいには地理の基本事項の把握をはじめていきたいです。

 

面白本で基本的な地理知識を把握したら、その考えを運用するやり方を学ぶことが必要です。この段階に最適な参考書が「村瀬のゼロからわかる地理B」の系統地理編・地誌編両方です。この参考書はイラストや図が豊富で、地理的思考のやり方をわかりやすくまとめているので効率的に地理の得点力を伸ばすのにはおすすめです。

 

 

②問題演習

 

地理の基本知識と思考術を学んだ後はその実践として、問題演習を重ねていきましょう。ここで扱う問題集としてはセンター試験と共通テストの過去問をダイレクトに使用して構いません。実際に本番で解く問題に近い問題を解くことで、求められている能力を磨いていくことができます。

 

ここで大事なのが自分が知らない統計のデータや知識、考え方がでてきたらなんでもいいので一冊のノートにまとめるようにすることです。①で得た知識や考え方だけでは最初はうまく問題を解くことができないかもしれませんが問題演習を重ねることで地理的思考の運用とより強固な知識の定着ができます。

 

過去問を解き終えたら、市販の問題集(以下の画像参照)を使うことになりますが、こちらも片っ端から解いていきましょう。ただ単に何点だったかを意識するよりは、どのような知識が抜けていたのか、どのような考え方が抜けていたのかを確認するようにしましょう。

 

ここで注意したいのが、古い年度の統計が絡む問題はは流す程度にしておきましょう。最新の統計の知識が邪魔されてはたまったものではありません。

 

全てをやる時間がない場合は、「共通テスト問題研究地理B」を最初にやり、その後に駿台の「共通テスト対策問題集 地理B」をやりましょう。解説が豊富かつ問題が奇をてらったものが少ないので学習効果がこの中でも特に高いです。

 

 

③データブックオブザワールドと資料集を読み込む

 

この段階までくると他の科目の勉強時間と要相談という感じになります。他の勉強に時間を割いた方がいい人はこの段階に足を踏み入れるのはやめましょう。

 

データブックオブザワールドは主に統計が掲載されており「数字」の知識を詰め込むためのもので、

地理資料集は地図や写真、図が載せられており「視覚」での知識を詰め込むためのものです。

 

どちらも①と②でも拾いきれなかった細かい知識をさらうという方針になるのでかなりマニアックなところまで詰めていかないといけませんが、地理で高得点を確実に取るためにはここまで細かい知識を入れておくのが望ましいです。