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【時間短縮】有機化学の勉強方法②

この記事の対象:有機化学の勉強方法がわからない受験生の方(ただし今回は難関大学を目指す方が対象となります)

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時間をかければ満点も狙えるのが有機化学

 

有機化学という分野は前回でもお話しした通り、構造決定問題がほとんどを占めますので時間をじっくりかけることができれば構造を絞れることはできるでしょうし、満点をとることだってできてしまいます。しかし、やはり試験には時間制限というものがあるのである程度制限された時間の中で問題を処理していく必要があります。

 

理論分野よりも点数を取りやすい有機において高得点を取れるようになることは化学全体の高得点へのカギとなります。ですので、いかにして短い時間で有機化学において満点近い点数をたたき出せるかが重要ということになってきます。

 

前回は有機化学の問題を着実に解けるようにする勉強方針について述べましたが、今回は「素早く」という要素に着目した勉強方法についてご紹介していきます。一朝一夕で有機化学を素早く解けるようにはなりませんが、継続して努力すれば必ず得意にできますので粘り強くやっていきましょう。

 

 

 

 

試験場で異性体を考えているようでは遅い

 

さて、有機化学の問題を解くときに一番時間がかかりやすく、ミスが発生しやすい部分はどこでしょうか?

 

これは「組成式から構造式の候補を洗い出すとき」です。

 

複雑な問題ほど、この候補が多くなります。そのような時にいちいち試験場で異性体を一つずつ思いつくような形で書いていくのでは時間がかかりすぎてしまします。

この組成式だったらこれらの構造が考えられるな、というようにパッと候補を列挙できなければタイムロスを食らってしまいます。

 

この問題を解決するために普段から「問題に登場した組成式で考えられる構造異性体をストックしておく」という勉強が必要になります。

ストックするのは「有機化学ノート」を一冊作っておき、そのノートに組成式ごとの構造異性体をためておくようにしましょう。

 

前回ご紹介した駿台出版の「有機化学演習」に加えて、「化学重要問題集」「化学の新演習」まで全ての演習を終えたころには大量の構造異性体のストックが集まっていると思います。地道ではありますが、これが確実な試験中の時間短縮につながるので根気強くためていってください。

 

また余談ではありますが、有機化学構造決定の入試対策演習としては「東北大学」「名古屋大学」「京都大学」が入試問題のなかではスタンダードな問題が多くおススメです。上記のような参考書はやりきって完璧になったという方はこれらの大学の有機化学の問題を演習することを勧めます。また、より難易度の高い有機化学構造決定に取り組みたいという方は「東京大学」の有機化学がおすすめです。

 

必ず糸口はある

 

文章の長い有機化学の問題に取り組んでいると、操作が多かったり、予想される化合物の炭素の数が多かったりでどこから絞っていけばいいのかよくわからない状態になることがあります。

 

しかし、このような事態になっても問題は必ず解けるように作られていることを思い出してください。

 

このような事態に陥ってしまったときは絞りやすい化合物や特定しやすい化合物から明らかにしていくのが定石です。すぐにわかるものからひも解いていけば徐々に問題はほぐれてきます。

盲点になりがちなのが、途中で分解産物として出てきた化合物の炭素の数であったり、不飽和度から構造を考えるときに環状構造や三重結合を考慮できていなかったりといったことです。

これらのことが抜けちていたためにいつまでたっても辻褄の合う構造式を絞りだせないということになるので、条件を満たしている化合物の中で自分が見逃しているものがないかを常にアンテナを張って注意するようにしましょう。