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【大公開】京都大学医学部での生活

この記事の対象:大学での生活について知りたい受験生・京大志望の受験生・医学部志望の受験生・京都大学医学部志望の受験生

この記事を読むのにかかる時間:4分

 

はじめに

 

こんにちは!京都大学医学部所属・ポラリスアカデミア医学部コース長の北浦紫門です!

 

前回は大学全般における生活についてご紹介させていただきましたが、今回はより的を絞って京都大学医学部での生活についてご紹介していきます!医学部志望の方や、医学部志望にしようか迷っている方の参考になれば幸いです!

 

京大医学部の授業はどんな感じなのか?

 

まず、意外と知られていないことですが

「医学部に合格した!さあ、医学の勉強を始めるぞ!」

と意気込んで入学しても1回生のうちは医学の専門的なことは勉強しません

 

1回生のうちは医学部の人も一般教養科目中心の勉強になります。前回の記事でも触れたように、医学に全く関係のない学問についても触れることができます。

 

ただ、1回生のうちから「この科目の単位は絶対にとらないといけない」という「必修科目」があり、生物系統の科目を学ぶことになります。京大の場合は、この基礎的な生物学を英語で学ぶことになります。この科目は試験も英語で出題され、英語で解答しないといけないため結構しんどいです笑

 

そのほか必修科目として英語や第二外国語、統計学などがあります。第二外国語は医学部はドイツ語かフランス語を選択できますが、1回生以降は全く使う機会がないのが正直なところです。覚えておけば旅行で役に立つかな?ぐらいです。

 

京大医学部では各履修科目ごとに数人の「試験対策係(略してシケタイ)」が割り当てられ、その人たちを中心に過去問を集めたり、授業内での重要なポイントをおさえたり、小テストがいつ行われるかのなどの連絡を行ったりといったことをする制度が発達しています。このシケタイという制度が発達しているおかげで自分が履修している科目を休んだとしてもシケタイの人が休んだ回の板書などを共有してくれるので安心というわけです。だからといってサボりすぎてもいけませんが…

 

京大は研究が発達しているので1回生のうちから研究室にアポイントメントをとって研究室に入れてもらうということができます。研究志向の方にはもってこいの制度を環境が整っています。

 

2回生に進級すると、いよいよ医学を専門的に学んでいきます。最初に学ぶ科目は解剖学で、実際のご献体で人体の構造物の位置関係を見ていくことになります。京大の場合、解剖の指南書が何故か全て英語なので、予習をするときは逐一和訳していかなければいけないという面倒さがありますが、試験は日本語で行われるので少し安心です。

 

解剖学以外にも生化学、組織学、生理学、発生学…などなどの基礎医学と呼ばれる分野を2.3回生の間に学んでいきます。基礎医学が終わると臨床科目の勉強に移り、疾患とその治療法を中心に学んでいきます。このフェーズになると知識同士がつながってくるので医学が面白くなってきます。ただ、覚えなければいけないことはどんどん積み重なってくるのでそこは苦しいところです笑

 

どの分野も量がとても多く教科書の内容を全部覚えるのは無理があるので、過去問をもとに試験勉強をしていくことになります。過去問が代々引き継がれているので効率的に要点をおさえることができます。他の医学部ではほとんど見られない現象ですが、京大医学部の授業はほとんどの科目において出席点がありません。ですので、試験で合格点を取りさえすれば単位が来ることがほとんどです。授業に出席しなくて良いぶん、自分の好きなことに時間を割けるというのが京大医学部の最大の魅力の一つであります。

 

 

4回生の夏には京大医学部の場合、「マイコースプログラム」といって、自分の興味のある科や研究室に2か月間ほどお世話になることができます。ここで研究活動をさせてもらうことで論文を書くことになる人もいるぐらいです。医学の専門科目の単位を全て取り終えると、CBT試験という全国の医学部生が受ける共用試験を受けることになります。この試験に合格しなければ5回生に進級することができません。

 

晴れてCBT試験に合格し、5回生になるといよいよ「ポリクリ」と呼ばれる病院実習が始まります。この病院実習の間に今まで学んだ知識を現場でどのように活かし、現場では何が求められているのかを学習することになります。ほぼすべての科を実習することができるのでこの実習時にどの科に将来就こうかの方針を決める人が多いです。逆に、入学当初から「この科に行くと決めている」という人は少ないように思われます。

 

6回生での病院実習が終わると医師国家試験の準備期間に移っていきます。国家試験はCBTよりも広く深い知識が求められるので勉強はかなり大変になります。国家試験に合格し、医籍登録を完了すると医師として働くことができるようになります。

 

卒業後は二年間の初期研修があり、その研修期間に自分が入る科を決めて後期研修に移ります。どこかのタイミングで大学院に通い、研究活動をして論文を書き専門医の資格を取得するというのがスタンダードなコースになっています。医師としての道のりはとても長いです。

 

 

京大医学部の放課後事情はどうなっているのか?

 

京大医学部には医学部水泳部や医学部卓球部といった、名前に医学部と名のつく部活があります。授業のスケジュールなどの環境的な理由で医学部の人たちが中心に集まって部活をした方が都合がいいということで作られたのだと思いますが、医学部でない人でももちろん所属することができます。逆に医学部の人でも全学の部活・サークルに所属している人はたくさんいます。

 

大学に入ったら部活に入るべきか?という質問に対しては、声を大にして「入るべき!」と言いたいです。大学時代の人間関係というのは卒後にも影響してきますし、また試験の情報などの大学生活に必要な情報も部活内で共有されることが多いのでその点でも部活には所属しておくのが望ましいです。

 

バイトをしている人はほとんどが家庭教師や塾講師をしていますが、中には飲食店やカラオケ店で働いている人もいます。何事も経験だと筆者は思っているので、大学時代は様々なバイトをやってみて社会について少しでも学んでおくのがおすすめです。

 

以上、京大医学部での生活の紹介でしたが、いかがでしたでしょうか?かなり自由な暮らしをすることができるので、筆者自身も教育業に携わることができています。もっと詳しく聞きたいことなどあればコメントをしていただけると幸いでございます!