【時間短縮】有機化学の勉強方法①
この記事の対象:有機化学の勉強方法がわからない受験生の方
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有機化学を勉強する上で重要なこととは
有機化学の問題の醍醐味はなんといっても構造決定です。
問題を読み解いていき、条件を洗い出し化合物の構造式を絞っていく操作を素早くすることを求められるわけですが、このような問題を確実に速く解けるためにはどうすればいいのかということを今回と次回の2回に分けてご紹介していきます。
まず、確実に把握しておかなければいけないのが「官能基ごとの性質」です。
官能基とは、それを持っている化合物に特徴を与えるものです。この官能基ごとの性質を理解していなければ構造式を絞っていくことはできません。
官能基の性質というのは有機化学を学ぶ上では基本的なことになりますので、まずは初歩的な参考書で学ぶことをお勧めいたします。
初学の方でもわかりやすい解説がなされている参考書としては「橋爪健作のゼロから劇的にわかる無機有機化学の授業」や「鎌田の有機化学の講義」、「宇宙一わかりやすい高校化学有機化学編」が挙げられます。
複数の参考書をやる必要はありませんのでどれか一つをしっかりと読み込み有機化学の基本知識を頭に入れましょう。
基本事項に関してもう一つ重要なことは「不飽和度」という概念です。
これは化合物の中の二重結合の数×1+環状構造の数×1+三重結合の数×2を意味する数で、構造決定の際には欠かせないものです。
求め方はCを炭素の数、Nを窒素の数、Xをハロゲンの数、Hを水素の数として
2C+2+N-X-Hを計算して2で割ったものが不飽和度になります。これは覚えておきましょう。
不飽和度を計算することによって、二重結合、環状構造、三重結合の数の候補が洗い出せます。
この情報と官能基ごとの性質から問題で与えられた条件に合致する構造式を絞っていくことになります。
ここで重要なのが、官能基ごとの不飽和度もあらかじめ把握しておくということです。
例えば、ケトン基やカルボキシ基、アルデヒド基は二重結合をそれぞれ1つずつ持っているので、それらの官能基の不飽和度は1ということになります。
また、化合物の特徴以外でも知っておかなければいけない知識はあります。
化合物の特徴を判別していくのに必要な試薬や実験に関する知識も頭に入れおく必要がありますので、先程あげた参考書のような基本的なもので学習するようにしてください。
さて、このように官能基ごとの性質や不飽和度、判別のための実験や試薬を完璧に覚えたとしても有機化学の問題をマスターしたとは言えません。
実際に問題を解いてみるとわかりますが、最初のうちは全く手が動かず構造を決定できたとしてもかなり時間がかかってしまうと思います。
しかし、これでいいのです。
構造決定の演習を積み重ねていけば問題で与えられている操作についても「あ、これは前にも見たことあるな」というようになってきて、慣れていきます。最初のうちは問題を解けなくても、解説を読んでこのような解き方をするんだなというところを理解して覚えていけば大丈夫です。
このような演習を行なっていくのに最適なのが駿台出版の「有機化学演習」です。
この参考書は有機化学の基礎知識の確認をできるばかりでなく、構造決定問題も多数掲載されており着実なステップアップをしていくことができるのが利点です。
化学の基本〜標準レベルの参考書ではよく「化学重要問題集」や「化学基礎問題精講」が挙げられますが、これらの参考書には有機化学の問題は最低限の数しか載せられていないので演習量としては不足してしまいます。
有機化学を得意にしたい方は是非「有機化学演習」でより多くの演習を積みましょう。
勉強方法としては、
①自分が今使える知識を総動員して構造を絞っていく
②どうしてもわからなくなったら解答解説を見て自分にどのような知識や発想が抜けていたのかを把握する
③もう一度何も見ないで解けるかを確認する
④翌日と三日後と1週間後にどのような手順で構造を絞っていたのかを復習する。この時最低でも1回はもう一度実際に書いてみて解く。
復習を多く重ねることによって定着率は上がっていくので有機化学を得意にしたい方は必ず反復をしていきましょう。
今回は有機化学の勉強の基礎について述べていきました。次回では問題をより速く解けるようになるための勉強方法を紹介していきます。ぜひご覧ください。