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【お悩み解決コーナー③】古文の勉強方法【演習編】

この記事の対象:古文の勉強方法がわからない受験生の方

この記事を読むのにかかる時間:3分

 

古文ができるようになることの重要性

 

共通テストの国語において古文は必ず出題されます。また、文系学部を受験される方は大学での個別試験において古文が出題されることが多いでしょう。

 

国語、と一括りに言っても現代文と古文とでは入試科目という観点からして大きな違いがあります。

 

それは古文の方が、事前に対策を行っておくことで高得点に繋がりやすいということです。

 

現代文の文章の内容や論理展開というものは時間が始まってからしかわかりませんが、古文の場合、文章の内容は試験が始まってからしかわからないのは同様ですがそれを読み解くための道具、すなわち文法的知識、単語、背景知識を揃えておくことで設問に対してより適切な解答を出せる可能性が高くなります。

 

現代文で求められているのはその場での解答の組み立て方や論理的思考ですが、古文では知識が求められている側面が強いということです。

 

事前に対策を十分に行っていけば高得点が狙えるのですからここで十分に勉強しない手はありません。

現代文より古文の方が圧倒的に点数が安定しやすいのでこの記事で勉強の手順をおさえていきましょう!

 

今回の記事は前回の基礎編の続きになりますので、そちらをまだ読んでいない方は先に基礎編を読んでから演習編に戻ってくるようにしましょう。

 

④基礎を積み上げた後の古文勉強の初手は?

 

基礎編では古文を読んでいくための基礎知識を習得していくことにフォーカスしました。次はこれらの知識を総動員して古文を読み解いていく練習の段階です。

古文はなんといっても「主語の省略」が頻繁にされているので話の流れを読みづらいという特徴があります。最初のうちは困惑しますが、助詞で見分けたり、敬語で見分けたりというテクニックをだんだんと習得していけば徐々に文章の流れがわかるようになってきます。

 

文法知識をおさえた後に取り組んでほしい基礎的な古文読解の参考書としては「古文上達基礎編 読解と演習45」がおすすめです。

この参考書をおすすめする理由は3つです。

①講義部分で文法事項の復習が可能になっており、練習問題ですぐにアウトプットができるようになっているので文法知識をより強固に定着させることができる。

②「主語の省略」を助詞、敬語、古文常識の観点から見抜き、古文の文章の流れを把握するテクニックを学ぶことができる。

③45題という比較的多くの古文の長文が扱われており、尚且つ解説がとても丁寧で一文一文の品詞分解と現代語訳まで載せられている。

 

文法の練習問題自体の数はそこまで多くないので、前回の記事で紹介したステップアップノート30と合わせて何度も文法の演習を繰り返しましょう。

読解問題は最初は困惑するかもしれませんが、2周目からは学んだ内容も少しずつ定着してきますし扱われている古文の難易度も高くないので初めて古文長文読解を勉強する方にはもってこいの参考書です。この参考書は隅々までわかるようになるまで何度も反復しましょう。それだけの価値があります。

 

「古文上達 基礎編 読解と演習45」を完璧にした後は、「古文上達 読解と演習56」「得点奪取 古文」で演習を重ねましょう。

「古文上達 読解と演習56」は基礎編と同様に品詞分解が詳細に記載されているのでわからなかった文章について細かく分析することができますし、文章の難易度もスムーズにアップしているので基礎編からの接続がいいです。第二章、第三章に問題が掲載されているので時間に余裕がない方は第一章(古典文法や古文常識が掲載されている)を飛ばして問題演習にいきなり取り掛かって構いません。ただ、できれば第一章の古文常識の範囲は読んでおくことが望ましいです。

 

古文でも英語や現代文と同様に長めの記述問題が出題されます。この記述問題で十分な点数を確保するためにも「得点奪取 古文」で古文記述の解答方法を学んでおくことが理想です。典型問題編で解答の正攻法を知り、練習問題編でそれを実践するという構成になっているので効率よく記述対策を行うことができます。

 

古文の演習において共通して意識してほしいのが、「わからないor間違えてしまった単語や文法が出てきたらすぐに基本的な参考書に戻りチェックする」ことです。抜けていた知識、わからなかった知識をそのままにせずにすぐに埋めてやることでゆるぎない古文の基礎を確立してください。

 

 

⑤和歌の対策も必須

 

古文でもう一つ厄介なのが「和歌」です。和歌の文字通りの意味の裏側まで読むことができなければその和歌を読解したとは言えません。

和歌の読解を助けてくれる参考書は「吉野のパワーアップ古文 和歌の修辞法編」と「百人一首を扱った参考書」です。

前者では和歌の修辞法に関する知識が整理されており、それが実際にどのように和歌において使われているかまで示してくれているので理解がしやすいです。後者のような参考書は学校で配られる方もいらっしゃると思いますが、おすすめは「原色 小倉百人一首」です。和歌の背景や修辞法まで詳しく掲載されているので和歌の技法について実例を交えて学ぶことができる良書です。

ただ、かなりの余裕がなければ和歌の対策までは手が回らないかと思いますので、百人一首は余裕があればで構いません。他の科目の進捗具合とも相談して優先順位を間違わないようにしましょう。