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【お悩み解決コーナー①】現代文の勉強方法【後編】

この記事の対象:現代文の勉強方法がわからない受験生

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現代文の解答の方針とおすすめ参考書

 

前回の記事では評論文と小説の読解の注意点について述べていきました。今回はそれらを踏まえた上での実際に解答するときにどのような手順をとるのかと、現代文の読解力と解答作成力を磨くのにおすすめの参考書を紹介していきます。

 

まず、現代文で解答を作成する際には本文で述べられていえることをしっかり把握しなければなりません。これこそが「読解」なのですが、この読解の方針や方法を知らない人はまず「現代文と格闘する」でそれらについて学んでいきましょう。

この参考書の特徴は下記のとおりです。

①現代文を読解するためのキーワード群を精選されており、そのキーワードのつながりや周辺のテーマをも見通しながら、理解していけるようになっている

②現代文を読解するための方法「読みつなぐ」ということについて説明されており、文章を全体としてつかもうとする思考の流れに沿った「読みつなぎ方」を、読者自身が自在に編み上げていけるように、いくつかのシンプルな「視点」を提案されている。

③「演習編」で入試頻出のテーマを追った例題と取り組める。「解説編」では、例題ごとに一つのガイドラインとしての「読みつなぎ方」を視覚的にも示されており、読者が自分の「読みつなぎ方」と照らし合わせて、読解上の問題点を自分でたやすく発見できるようにしている。自分の読み方の癖を見抜き、問題点があれば修正することができるようになっている。

 

①では現代文読解のたすけとなるキーワードについて述べられていますが、数には限りがあるので、より多くの現代文読解のためのキーワードを習得したいという方は以下の参考書を読んでください。

 

現代文キーワード読解

単なるキーワードの解説だけでなく文章を読みながら用語について学んでいける参考書です。単語の収録数はかなりのものなのでこれ一冊でも十分といえる現代文キーワード集です。

「読解ポイント」や「要約」も示されており、自分の読解が正しかったのかを確認できる点も本書のメリットです。

 

ことばはちからダ!

こちらの参考書もキーワードが辞書のように言葉が羅列されているのではなく、短い文章や図を用いてより身近なものとして理解できる工夫がされています。
章の終わりには簡単な正誤問題も収録されており、ただ読むだけでなく実際に使用することでより言葉に対する理解力を高めることができるという利点があります。

 

「現代文と格闘する」の実際の使い方ですが、①②でキーワードについての理解と現代文の文章の読み方の理解を終えた後に③で実際に演習をしていくことになります。演習の際には自分の答えが正解なのかそうでないのかというところよりも、解答の導き方が本書を比べてずれていないかどうかに焦点を当てて、フィードバックするようにしましょう。地道な勉強にはなりますが、ここを丁寧に行うことで現代文解答作成力が向上します。

 

解答作成の際に注意したいのが、行き当たりばったりで解答を書こうとしないことです。求められている情報や要素は何なのか?、どのような論理構成で書いていくのか?というところをまずは整理してから解答の下書きを書きましょう。

 

字数制限がなければ自由に書けますが、大抵の問題には字数制限があります。

必要だと思われる要素を盛り込み、下書きを作成した段階で字数がオーバーしていたら盛り込んだ要素それぞれに優先順位をつけ、抜いても解答の論理が破綻しないものから削るようにしましょう。どうしてもどの要素も削れにないという場合は、言い換えを行って字数を短くするようにしましょう。

字数が足りないという場合は必要な要素が足りていないということです。ほかに盛り込めるものがないのかを探しましょう。

以上が現代文全ての記述問題での指針となります。

 

さて、「現代文と格闘する」で現代文の基礎を学んだあとはそれを活かした演習を行っていく必要があります。

演習用のおすすめの参考書としては以下があります。

 

得点奪取 現代文

本書には序盤に例題が載っています。この例題では、受験生が本番で書くような答案が掲載されていて、採点基準と照らし合わせる形で解説が書き加えられています。

どの部分の書き方が改善できるのか、またその部分を直した方がいい理由についての解説が詳しく書かれています。さらに採点基準と照らし合わせて点が取れている部分が具体的にどこなのかということも把握できるので、自分が問題を解くときにもしっかりと高得点が取れる答案を作ることができます。

記述形式の問題が25題収録されているので、この一冊でかなりの演習をこなすことができます。名前のとおり、得点につながる解答の書き方についての解説が豊富な参考書なので、注意点を抑えたうえで自分の解答の修正点をみつけ矯正していきましょう。

 

 

入試現代文へのアクセスシリーズ

「現代文と格闘する」や「得点奪取」の内容が難しいと感じる方には「入試現代文へのアクセス 基礎編」がおすすめです。文章の構造の把握や、記述作成の基本的な考え方が掲載されているので現代文が苦手だという方でも取り組みやすい内容になっています。基礎編が終わったら「現代文と格闘する」や「入試現代文へのアクセス 発展編」へ移行し、より現代文の実力に磨きをかけていきましょう。

 

現代文の勉強で共通して大事なのは、正解か不正解かを判定するのではなく、解答のプロセスが正しかったか、正しくなかった場合は何がだめだったのかを把握することです。地道で時間のかかる勉強ではありますが、一つ一つの問題に対してしっかりと解答のプロセスを意識して取り組むことで道は開けます。根気強く励んでください。