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【お悩み解決コーナー①】現代文の勉強方法【前編】

この記事の対象:現代文の勉強方法がわからない受験生

この記事を読むのにかかる時間:3分

現代文の文章の種類

 

現代文の文章は大きく分けて「評論」と「小説」に分けられます。「評論」は筆者が伝えたいこと、主張したいことについて書かれており、その主張を支える理由や具体例が盛り込まれています。「小説」は創作がほとんどで、起承転結をを軸として展開されていき、登場人物の心情やその理由というところに焦点をあてていくことになります。

 

「随筆」というものもありますが、これはあることに関して筆者が主張したことを述べている文章というよりかは筆者があることに関して感じたことを述べた文章です。一見構成は評論文と違いますが、筆者が持った感想とその理由を明らかにしていく方針は評論文と大きく変わらないので現代文の問題になってしまえば解き方は同じです。

 

今回は評論と小説に分けて対策を述べていきます。加えて、次回の記事では解答を作成する際の普遍的な方針や現代文学習におけるおすすめの参考書についても述べていきます。

 

 

評論対策の勉強方法

 

評論文を読み解いていくには、「筆者の主張」「その理由」「具体例」というところを明確にしていかなければなりません。そのためには文章の流れを正しく把握することが必要です。文脈を正しく把握するために必要なのものの一つとして「指示語」があります。評論文では特にこの「指示語」に注目する勉強方法が大切です。

 

「この」、「あの」、「その」、「このように」など、評論文では指示語が多用されます。皆さんは普段、会話の中では指示語が指す内容を無意識的に解釈しているはずです。しかし、評論文を読み慣れていない人はここをはっきりとさせずに読み飛ばしてしまって文章の内容が頭に入ってこないということが多くあります。

 

評論文に出てくる指示語をすべてチェックし、何を指しているか考えてみてください。かなり時間をかけて読んでしまうことになりますが、普段の勉強時間には制限時間というものはないのでじっくり取り組みましょう。これを普段の評論文演習で行うだけで、評論文に対する読解力がだいぶ上がります。

 

評論文を読み解く上でもう一つ重要なのが「接続詞」です。この接続詞に注目することによって文章と文章の関係がわかりますし、それがわかることによってより大きな文章のまとまり同士の関係が見えてきます。そうすることで、「ここが筆者の主張の部分」「ここがその理由」「ここが具体例」と大きく文章をまとめることが可能になります。

 

また段落ごとに「この段落の役目はなんだったのか?」というところをメモしておくことも有効な勉強方法です。その段落で述べられていることが導入なのか、主張なのか、理由なのかというところをメモしておくだけでも後で戻ってきて解答を作成しようとなったときに整理がつきやすいです。プラスアルファでその内容も短くまとめられるようになるとさらに評論文に対する理解度が上がってきます。面倒ですし、時間のかかる勉強方法ではありますが、そこを疎かにせず地道に継続することで必ず評論文は強くなれるので頑張りましょう。

 

評論文を読むうえでもう一つ重要なのが、「自分の先入観を本文に持ち込まないこと」です。評論文の内容によっては個人個人でわかりやすい内容、わかりにくい内容というものがあると思いますが、「この話知ってる!」という状態で読み進めていくと自分の中にある知識と本文の内容がずれてくることがあります。そうなってしまうと解答するときにも先入観をもちこんでしまい失点するという可能性があるので、知っている内容だったとしても本文の論理関係に忠実に読み進めていくことが大切です。

 

 

小説対策の勉強方法

 

小説を読み解く上で重要になってくるのが、登場人物の心情と変化、心情のもととなる出来事、情景変化などによる暗喩です。何が起こって、どのようにものごとが進み、その中で登場人物は何を感じて、どのように心情が変化していくのかを読み取っていく必要があります。

 

そのうえでまず重要になるのが、楽しい、嬉しい、悲しいなどの心情表現です。これらの表現が出てきたら必ずチェックするようにしましょう。そして、その感情が発生した理由となる部分がどこなのかということも同時に考えるようにしましょう。このように直接的に心情表現が書かれていればまだ簡単です。

 

心情を読み取る上で見逃しがちなのが「登場人物の行動」です。すべての行動には感情や考えが伴います。感情を反映させている行動に着目することで、直接的に書かれていない心情も読み取ることができるようになります。ですので、心情を反映している行動と思われる表現が出てきたら必ずチェックするようにしましょう。

 

次に小説を読み進めるうえで重要になってくるのが、心情表現や行動以外での暗喩的な心情表現です。小説では現実世界と違って、天気などの情景がかなり変化します。突然、雨が降ったり、はたまた晴れたり。このような情景変化には登場人物の感情や考えの変化が伴うことがほとんどです。突然雨が降る→悲しい気持ち、突然晴れる→うれしい気持ちなど感情の変化があるので天気など情景の変化についてもチェックするようにしましょう。

 

今回の記事は評論と小説の勉強の方針について述べていきました。次回の記事では、これらの方針をとったうえでの解答の指針について述べていきます。