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【詳細解説】共通テスト英語リーディング対策~大問別編②~

この記事の対象:共通テスト英語リーディングが時間内に解けない人・点数が安定しない人
この記事を読むのにかかる時間:8分

共通テスト英語(リーディング)の傾向

センター試験から共通テストへと名称が変わり、英語の試験内容も変化しました。センター試験で出題されていた発音アクセント、文法問題、除文問題がなくなり、共通テストでは大問全てが読解問題になりました。構成は大問6個となっており、それぞれタイプの異なった長文問題が出題されています。それぞれの大問の方針は以下の通りです。

大問1: 日常生活における身近な広告、カタログ、パンフレット、予定表などから、必要な情報を読み取る問題
大問2: 友人、家族、学校生活などの身の回りの事柄に関する説明文を読んで、事実と意見を整理する問題
大問3: 日常生活における個人の体験談を読んで、概要を把握する問題
大問4: 複数の記事、レポート、資料などを読み、それぞれの書き手の意見の共通点と相違点を把握する問題
大問5: ある人物に関する物語や伝記を読み、概要を把握する問題
大問6: 身近な話題や社会的な話題に関する記事やレポート、資料などを読んで、概要や要点を把握する問題

設問の内容も幅広く、理由や指示語の内容を問うスタンダードなものから、出来事の順序を答えさせる問題、正誤問題、文章のタイトルを答えさせる問題など多岐にわたります。これらの問題に対して制限時間80分の中でどのようにアプローチしていけば点数を伸ばすことができるのでしょうか?今回の記事は大問別編②ということで、大問4~大問6の対策について述べていきます。
(受験生タイプ別と大問別①は別記事にて述べています)

第四問の対策

第四問の傾向は以下の通りです。
◎複数の記事、レポート、資料などを読み、それぞれの書き手の意見の共通点と相違点を把握する問題
第四問の特徴は「共通点と相違点」です。
実際の設問を見ていきましょう。

第四問は二つの記事を総合的にみて解かなければいけない問題ばかりになってきていますね。問2は一見どちらかの文単体でも解けそうな問題に見えますが、二つの記事を加味する必要が高い可能性を最初から考慮しておきましょう。

設問の内容を把握したところで問題文を読んでいきます。ここで問題文の方にメモできるのは「図書館の役員の出身はどこか」ということと、「楽しむための読書が学生に与える好影響は何か」ということぐらいなのでそれらだけメモしておきます。そのほかの問題は選択肢を読んで初めて取り掛かれる問題なのでここではメモは残しません。

以下、実際の本文です。

※解答の根拠となる部分を赤波線などでわかりやすくしています。

問1の選択肢を吟味していくと①③④は文中に書かれているので除外です。②だけ全く触れられていない内容なのでこれが正答となります。

問2 は図書館役員の文章でmy home country という表現があるので、それの内容と前者の文章のグラフを加味して答えはAustriaとなります。


問3は②と③の内容が文中に書かれているのでこれらが正答となります。複数個が正解になりえる問題というのは共通テストから出てきましたが、複数個が正答になることを念頭におきつつ、より慎重に選択肢を吟味しましょう。ひっかけで答えが一個だけなどもありえます。


問4はこの第四問の特徴となる問題です。筆者の意見はどれかという問題なので文章中のin my opinion や I thinkや shouldなどの表現がポイントになります。この文章中でも実際にそれらの表現のあとに筆者の意見となるものが述べられているのでそこを解答の根拠にしましょう。これらの操作をしていくと解答は②と④になります。

問5 は二つの記事をレポートにしたときにどのようなタイトルになるか、という問題です。これは要約の能力が求められていますが選択肢問題なのでそこまで恐れる必要はありません。①③④はまったく見当違いなことをタイトルにしてしまっているので答えは②となります。このような問題でも消去法による解答が有効ですね。

第五問の対策

第五問の傾向は以下の通りです。
◎ある人物に関する物語や伝記を読み、概要を把握する問題
第五問で特徴的な問題は「出来事の順序」を扱う問題です。
この出来事の順序を問う問題のみ、設問を読むときに選択肢も読んでおきましょう。順番が問われる出来事が何なのかを把握することができます。
以下、実際の問題です。

問1からいきなり出来事の順序ですね。この問題は選択肢も読んでおきましょう。
問2は本文から新聞が成功した理由について問われているのでそれをメモしておきます。
問3も同様に本文からThe Sunのモットーを問う問題なのでそれもメモしておきます。
問4はThe Sunがどのようにアメリカの報道を変えたかを問う問題なのでこれもメモしておきます。これらのことを踏まえて本文を読んでいきましょう。
以下、実際の本文です。

※解答の根拠となる部分を赤波線などでわかりやすくしています。

問1は選択肢の①だけかなり離れた位置にあるので一瞬「あれこの選択肢の内容どこ?」と焦るかもしれませんが、本文中に選択肢で書かれている出来事が出てこないはずがないので落ち着いて本文の最後の方までくまなく探しましょう。
問2は「The Sunが1セントで売り出されたこと」「人々の日々の生活に焦点を当てた記事を載せたこと」「新聞の売り子という新しい仕組みをつくったこと」を本文から読み取ると正解は②③⑥となります。あとの内容は本文にない又は間違ったものを述べています。
問3は直接的に本文に書かれているわけではありませんが、多くの人に親しみやすい話題を載せ、安価で売り出したことから「多くの人のための新聞」というモットーを考えることができます。よって正解は③となります。②も一瞬正解に見えますが、アメリカンドリームについては本文では一ミリも触れられていません。


問4は第三段落の三行目~六行目の内容や本文最後の文章の内容を加味するとまず①③は正解だとわかります。②④⑤は本文の内容とは異なることを言っているので間違いだとわかります。⑥は直接的には本文に書かれていないのですが、この本文をまとめるものとして矛盾しないのでこれも正答になります。このように本文に直接書かれてはいないが、この文章を要約するものとして矛盾しない選択肢も正解になってくるので、安易に本文に直接載っていないから間違いだとするのはよくありません。選択肢の内容をよく吟味するようにしましょう。

 

第六問の対策

第六問の傾向は以下の通りです。
◎身近な話題や社会的な話題に関する記事やレポート、資料などを読んで、概要や要点を把握する問題
第六問は他の大問のようにクセのある特徴的な問題はなく、単純な読解問題で構成されています。これは逆に言えば「導入文と読む→設問文を読み、把握する→メモを残し設問の内容を意識しながら読む」という手法が一番効きやすい問題と言えます。今回もその方法でやっていきましょう。
以下、実際の問題です。


これらの設問の内容を本文の方にメモして実際に読んでいきましょう。
以下、実際の本文です。

※解答の根拠となる部分を赤波線などでわかりやすくしています。

クセがないせいか各問題の根拠となる部分がはっきりしていますね。問1から問3の解答の手順はここでは割愛させていただきます。
さて、問4の要約問題は要注意なので一緒に見ていきましょう。要約問題の解答の手順は何度も言いますが、本文に矛盾しないことが第一です。①は全ての内容が本文に矛盾していません。おそらくこれが正解でしょうが、一応他も見ます。
②は全く本文に載っていない内容ですね。不正解です。
③は一瞬矛盾していないように思えますが、この本文では世界のことについては一ミリも触れていません。題材にされているのはアジア単体なので要約として不適切です。
④はlittle「ほとんどない」という表現が矛盾するので不正解です。
よって①が正解になります。

要約問題は特に「おそらくこれが答えだろう」という選択肢が出てきても、全ての選択肢を吟味し終えるまで最終的な解答を決めないようにしましょう。早とちりが命取りです。また、選択肢の削り方としては「本文に載っておらず全く関係のない内容」「本文の内容と明らかに矛盾する内容」を述べている選択肢がないかを吟味していくのが有効です。