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【基礎からわかる】確率の解き方|苦手克服!中学・高校数学のポイント解説

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【基礎からわかる】確率の解き方|苦手克服!中学・高校数学のポイント解説

■1.はじめに:確率の解き方へのアプローチ

確率の計算は、一見複雑に感じられるかもしれませんが、
基本的な定義とアプローチを理解すれば、
決して難しいものではありません。

確率とは、「ある事象が起こる可能性の度合い」を
示すものです。数学的には、以下の式で定義されます。

確率P(A) = (事象Aの起こる場合の数) / (起こりうる全ての場合の数)

この定義を理解することが、
確率問題を解くための第一歩となります。

確率の計算では、同じものでも区別して
考える必要がある場合があります。
例えば、3つの赤い玉がある場合、
これらを「赤1」「赤2」「赤3」のように
区別することで、正確な場合の数を
数えることができます。

この記事では、この基本的な考え方に基づき、
様々な確率問題へのアプローチ方法を解説していきます。

2.確率の基本

この章では、確率の基本的な考え方と
その性質について解説します。

(1)定義と考え方

確率は、ある事柄が起こる可能性の
度合いを示すものです。数学的には、
以下の公式で求められます。

確率 = (それが起こる場合の数) / (起こりうるすべての場合の数)

例えば、サイコロを1回投げたときに
「4の目が出る確率」を考えてみましょう。

  • 起こりうるすべての場合の数:1, 2, 3, 4, 5, 6 の6通り

  • 4の目が出る場合の数:4 の1通り

したがって、確率は 1/6 となります。
これは、「6回投げたら1回は4の目が出るだろう」
という可能性を示しています。

(2)基本的な性質

確率の値は、必ず 0 から 1 の間の値をとります。

  • 絶対に起こらない事柄の確率:0

  • 必ず起こる事柄の確率:1

3.様々なケースでの確率計算

確率の計算は、扱う対象によって
考え方が少し異なります。
ここでは、サイコロやコイン、
そして玉の取り出しといった
具体的なケースを例に、確率の求め方を見ていきましょう。

(1)サイコロやコイン

例えば、サイコロを1回投げたときに
特定の目が出る確率や、コインを投げたときに
表が出る確率など、シンプルな事象から考えていきます。

(2)玉の取り出し

次に、複数の玉の中から特定の色や個数の玉を
取り出す場合の確率について解説します。
ここでは、場合の数で学んだ順列(P)や
組み合わせ(C)といった考え方が
非常に役立ちます。例えば、
「10個のボールから3個取り出すときの組み合わせの総数」
や、「特定の条件を満たす取り出し方の数」を
計算する際にこれらの知識を使います。

このように、具体的な状況に合わせて、
起こりうる全ての場合の数と、
特定の事象が起こる場合の数を
正確に数えることが、確率計算の鍵となります。

4.複数の事象の確率

複数の事象が組み合わさって
起こる場合の確率を計算する方法について
解説します。ここでは、「和の法則」と「積の法則」を
中心に見ていきましょう。

(1) 和の法則

排反事象(同時に起こらない事象)
AとBのどちらかが起こる確率は、
それぞれの確率を足し合わせることで求められます。

P(AまたはB) = P(A) + P(B)

(2) 積の法則

独立事象(一方の事象が起こることが
他方の事象が起こる確率に影響しない事象)
AとBが両方とも起こる確率は、
それぞれの確率を掛け合わせることで求められます。

P(AかつB) = P(A) × P(B)

また、独立ではない事象(従属事象)の場合、
事象Aが起こり、その後に事象Bが起こる確率は、
事象Aが起こる確率と、事象Aが起こったという
条件のもとで事象Bが起こる確率(条件付き確率)
を掛け合わせて求められます。

P(AかつB) = P(A) × P(B|A)

複数の事象の確率を考える際には、
事象が「排反か排反でないか」
「独立か独立でないか」を見極めることが重要です。

5.条件付き確率

条件付き確率とは、
「ある事象Bが起こったという条件のもとで、
別の事象Aが起こる確率」のことです。

例えば、「引いたカードがどちらも奇数であるとき、
そのうちの1枚が5のカードである確率」
求めるような場合に使われます。これは、
「2枚とも奇数である」という条件のもとで、
「1枚が5である」という確率を考えることになります。

通常の確率が「すべての取り出し方」
に対する確率であるのに対し、条件付き確率は
「特定の条件を満たす場合」に限定して
その中で確率を計算します。

計算式は P(A|B) = P(A∩B) / P(B) と表されます。
これは、「Bが起こり、かつAも起こる確率」を
「Bが起こる確率」で割ることで求められます。

場合の数で考える場合は、以下のようになります。

事象

説明

場合の数で考える分母・分子

通常の
確率

全体の中での事象Aの
確率

全体の場合の数 / Aの場合の数

条件付き
確率

事象Bが起こった
という条件のもとでの
Aの確率

Bの場合の数 / A∩Bの場合の数

このように、条件付き確率は、確率を考える「全体」を特定の条件を満たす場合に絞り込むことで計算されます。

6.確率の苦手克服のコツ

確率の苦手克服には、いくつかの重要な
ポイントがあります。

まず、「どの事象が等確率で生起するのか」を
正確に把握することです。複雑な事象も、
等確率な基本単位に分解して考えると理解しやすくなります。

次に、場合の数の考え方を
マスターすることが不可欠です。
数え漏れや重複を防ぐ正確な数え方を身につけましょう。

そして、最も大切なのは、
自分の直感に頼りすぎないことです。
確率の結果はしばしば直感に反します。
考えた解き方が本当に正しいか、
理屈の上で検証する習慣をつけることが克服の鍵となります。

克服ポイント

具体的な視点

等確率事象の特定

基本単位に分解して考える

場合の数の正確さ

数え漏れ・重複を防ぐ練習

直感に頼らない

理屈の上での正しさを検証する

これらの点を意識し、練習を重ねることで、
確率の問題への苦手意識を克服できるでしょう。

7.まとめ

本記事では、確率の基本的な考え方から、
様々なケースでの計算方法、
そして複数の事象や条件付き確率といった
応用までを解説してきました。
確率の問題を解くためには、
まず「場合の数」を正確に求めることが非常に重要です。

  • 場合の数: ある事象の起こりうる場合の総数。
    順列(並べる)や組み合わせ(選ぶ)
    といった考え方を使います。

  • 確率:その事象が起こる場合の数)÷(起こりうるすべての場合の数)
    で求められます。

  • 問題文をよく読み、「順列」か
    「組み合わせ」かを見極める。

  • 樹形図や表などを活用して、
    起こりうるすべての場合を整理する。

  • 基本的な公式(和の法則、積の法則など)
    を理解し、使いこなす。

確率の考え方は、数学だけでなく、
日常生活や様々な分野でも役立ちます。
繰り返し練習して、得意分野にしていきましょう。

 

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