「青チャートと基礎問題精講、結局どちらを使えば良いかわからない」
数学の参考書選びに迷ったことがある受験生なら、このような疑問を抱えた経験はないでしょうか。
どちらも定評のある人気問題集ですが、それぞれに向き・不向きや勉強法のポイントがあります。
本記事では基礎問題精講と青チャートの違いを、網羅性・難易度・学習時間・解説のわかりやすさなど4つの視点から徹底比較します。
自分に合った問題集で効率的に成績を上げたい人は、ぜひ最後まで読んで、自分にぴったりの参考書と勉強法を見つけてください。
青チャートと基礎問題精講の基本情報
青チャートと基礎問題精講、どちらを選ぶかで今後の勉強効率は大きく変わります。
それぞれの特徴を知らずに選んでしまうと「思っていたより難しかった」「全然、勉強が進まない」と後悔することも。
まずは、青チャートと基礎問題精講の基本情報をしっかり押さえましょう。
青チャートの概要
「青チャート(正式名称:チャート式基礎からの数学)」は、数研出版が発行している高校数学の網羅型参考書です。
全国の進学校をはじめとした多くの高校で長年愛用されています。
数学IA・IIB・IIICの全範囲を網羅し、基礎から標準、応用まで幅広いレベルの問題に対応している点が特徴です。
各単元には、例題・練習・EXERCISESがあり、インプットからアウトプットまで段階的に学習できる構成になっています。
各問題にはチャート式と呼ばれる独自の解法プロセスが示され、初学者でも論理の流れをつかみやすく、計算過程や解法の理解を深めるのに役立ちます。
重要な公式や定理については、ポイント形式でまとめられており、要点を押さえながら効率的に復習できる点も魅力です。
難関大学を目指す受験生だけでなく、共通テスト対策としても活用され、一冊で大学受験に対応できると言われるほどの信頼を集めています。
基礎問題精講の概要
「基礎問題精講」は、旺文社から出版されている高校数学の参考書シリーズの一つで、入試頻出テーマを基礎レベルに絞って学べる問題集です。
数学IA・IIB・IIICの3冊に分かれており、それぞれの問題には簡潔でわかりやすい解説が付き、短期間で基礎を固めることを目的としています。
必要最低限の問題数で構成されているため、学習時間を効率的に使える点も魅力です。
基礎問題精講は、以下のような流れで各単元が構成されています。
- 基礎問:入試で頻出する典型的な問題に絞って掲載
- 精講:問題を解くための考え方やアプローチを丁寧に解説
- ポイント:その単元で押さえるべき重要事項を整理
- 演習問題:理解度をチェックするための類題
解法の理解 → 類題演習 → 定着確認という理想的な学習サイクルを自然に回せる仕組みになっています。
基礎問題精講VS青チャート!勉強法の違いもわかる4つの視点で比較
基礎問題精講と青チャートは、どちらも受験生に人気の高い定番参考書ですが、特徴や勉強法には大きな違いがあります。
- 網羅性
- 解説のわかりやすさ
- 学習にかかる時間
- レベルと対象
4つの視点から、両者を徹底比較します。
基礎問題精講VS青チャート比較1.網羅性
基礎問題精講は、必要最低限の基礎問題を効率よく習得することに特化した問題集です。
入試で頻出される典型問題を厳選して掲載。
問題数は各分野150〜180問ほどで、1つ1つの問題の質が高く、類題として演習問題がついています。
偏差値50〜55の私大や共通テストで7割を目指す人にとっては、十分な網羅性といえます。
ただし、難関大レベルの応用・発展問題は含まれていないため、基礎問題精講だけで最難関大学をカバーするのは難しいでしょう。
一方で青チャートは、高校数学の全範囲を網羅することに重きを置いた問題集です。
例題・練習・EXERCISES・章末問題などが豊富に揃っており、問題数は数学IA・IIB・IIICを合わせると、3,000問を超えるボリューム。
学校で指定教材にされていることが多く、偏差値60〜70以上の難関大受験生にも対応できる内容です。
ただし、すべての問題を解こうとするとかなりの時間と労力が必要になるため、効率良く取捨選択できるかがカギになります。
基礎問題精講 |
青チャート | |
網羅性 |
基礎から標準レベルまでに特化。無駄を省いた構成 |
基礎から難関大レベルまで徹底網羅 |
向いている人 |
共通テスト対策・私大中堅レベル向け |
難関大を目指す人、全範囲を丁寧にやりたい人 |
基礎問題精講VS青チャート比較2.解説の分かりやすさ
基礎問題精講の解説は、簡潔かつ要点がまとまっており、直感的に理解しやすい点が特徴です。
文章量は多すぎず、図や補足説明も必要最低限のため「長すぎると読めない」「本質だけを知りたい」という受験生におすすめ。
特に数学が苦手な人は、解法を身に付けるためにちょうど良い解説の内容です。
ただし、やや解説が飛躍している箇所があるため、数学の考え方に慣れていない場合は「なぜこの式変形が成立するのか」と疑問が残ることも。
「やさしい高校数学」など講義系参考書を併用すると、理解が深まるでしょう。
青チャートは、詳細な解説と図が豊富で、問題の背景や解法まで丁寧に説明されています。
例題 → 解法 → 解答 → 補足説明と段階を追って説明されている点が特徴です。
なぜこの解法を使うのか、どこに着目すべきかが記載されているため、思考のプロセスを学びたい人にはおすすめ。
別解も豊富に載っているため、応用的な視点や複数のアプローチを身につけたい人にも向いています。
一方で「解説の情報量が多くて読み切れない」「途中式が飛んでいて理解しづらい」と感じる声もあります。
特に数学が苦手な人やシンプルな解説を好む人にはやや重たく感じることもあるでしょう。
基礎問題精講 | 青チャート | |
解説の特徴 | シンプル・要点を絞った構成。初学者でも読みやすい | 論理展開が丁寧。理解を深めたい人におすすめ |
向いている人 | スピード重視、苦手克服、基礎固めに集中したい人 | 思考力を養いたい人、応用レベルまで対策したい人 |
基礎問題精講VS青チャート比較3.学習にかかる時間
基礎問題精講は、各単元に必要な典型問題を厳選して収録しているため、ⅠAで約154題、ⅡBで約183題,
ⅢC125題と問題数が比較的少なめです。
1日5〜10題のペースで進めれば、1〜2ヶ月で1冊を1周できる計算になります。
精講やポイントで解法の考え方がコンパクトにまとまっており、無理なく読み進められ、スムーズに学習を進められる点も大きな魅力です。
青チャートはⅠAだけで約950題、ⅡBでは約1,100題と圧倒的なボリュームを誇ります。
1日10題進めたとしても、1冊を1周するのに3〜4ヶ月かかることも。
演習量が多い分、復習にも時間がかかるため、スケジューリングには注意しましょう。
基礎問題精講 | 青チャート | |
問題数 | 約150〜200題/冊 | 約950〜1,100題/冊 |
所要時間(1周) | 1〜2ヶ月 | 3〜4ヶ月以上 |
周回のしやすさ | ◎(短時間で復習しやすい) | △(問題数が多く時間がかかる) |
向いている人 | 時間が限られている現役生・基礎を固めたい人 | 時間に余裕がある浪人生・応用まで網羅したい人 |
基礎問題精講VS青チャート比較4.レベルと対象
基礎問題精講は、以下の受験生を主な対象としています。
- 共通テストで6〜7割を目指す受験生
- 偏差値50〜55程度の私大(日東駒専・産近甲龍など)を志望する受験生
- 数学に苦手意識があり、基礎からやり直したい受験生
扱っている問題は、入試で頻出の典型問題を厳選した基礎レベル。
短期間で基礎固めをしたい人や難易度の高い網羅系参考書に挫折した経験がある人にも向いています。
一方、青チャートは以下の受験生を対象としています。
- 共通テスト8割以上、地方国公立・GMARCH・関関同立以上を目指す受験生
- 偏差値55〜65以上を狙う中級〜上級者
- 基礎~応用まで幅広く対応したい受験生
難関大レベルの2次試験対策にも十分対応できる内容です。
基礎問題精講 | 青チャート | |
レベル | 偏差値50〜55程度(日東駒専・産近甲龍レベル) | 偏差値55〜65以上(地方国公立・GMARCH・関関同立以上) |
向いている人 | 基礎からやり直したい人 |
基礎〜応用まで幅広く学びたい人 |
青チャートのメリット・デメリット
青チャートは、膨大な問題数と圧倒的な網羅性を誇る一方で、使いこなすにはコツも必要です。
青チャートのメリットとデメリットを紹介します。
青チャートのメリット
青チャートは、網羅性の高さと体系的な構成がメリットです。
数学の基礎から応用までを幅広くカバーしており、青チャート1冊で大学受験の数学対策ができるといっても過言ではありません。
共通テストレベルから難関大の二次試験対策まで幅広い難易度の問題が掲載されているため、さまざまな大学の受験に対応可能です。
青チャートのデメリット
問題数が多すぎて消化不良を起こしやすいデメリットもあります。
数ⅠA・ⅡB・ⅢCそれぞれが800〜1100題以上と膨大なボリュームで構成されており、すべてを完璧にこなそうとすると相当な時間と労力が必要です。
限られた時間で効率良く学習したい現役生には、かえって重荷になってしまう可能性も。
基礎問題精講のメリット・デメリット
基礎問題精講は最短距離で基礎力を固められる参考書ですが、使い方を間違えれば、思うように伸びないことも。
基礎問題精講のメリット・デメリットを紹介します。
基礎問題精講のメリット
基礎問題精講は、必要最低限の良問に絞られている点が最大のメリットです。
入試で頻出する基本的な問題を厳選して収録しており、短期間で効率的に基礎を固めたい受験生におすすめします。
青チャートのような網羅系問題集に比べてページ数が少なく、数学に苦手意識がある人でも「取り組めそう」と思える分量であることも大きなメリットです。
基礎問題精講のデメリット
基礎問題精講には注意すべきデメリットもあります。
問題数が少ない分、網羅性に欠けるという点です。
入試で頻出の基礎問題を厳選している反面、出題されるテーマのすべてをカバーしているわけではなく、一冊だけで入試全体に対応するのは難しい場合があります。
難関大を目指す受験生や数学を得点源にしたい人には、物足りなさを感じることも。
基礎問題精講で学んだ後は、標準問題精講や過去問演習に進むなど段階的な学習が求められます。
目的に応じた参考書選びをしないと、「基礎問題精講を仕上げたけど入試本番で対応できなかった」ということになりかねません。
基礎問題精講と青チャート、勉強法と選び方のコツ
基礎問題精講と青チャート、あなたに本当に合っているのはどちらでしょうか。
参考書選びを間違えると、せっかくの努力が空回りしてしまうことも。
それぞれの特徴を押さえて、あなたの学習スタイルや目標に合った正しい選び方と効果的な勉強法を解説します。
自分の学習スタイルに合うものを選ぶ
数学の参考書を選ぶ際に重要なのは、自分の学習スタイルに合っているかどうかです。
じっくり時間をかけて多くの問題を解きながら、基礎から応用まで幅広く理解したい人には、青チャートのような網羅系参考書が向いています。
一方で「短期間で効率よく基礎を固めたい」「数学に少し苦手意識がある」「まずは典型的な問題から押さえたい」という人には、基礎問題精講がおすすめです。
必要最低限の問題数で構成されており、1問ごとの解説もポイントが簡潔にまとまっているため、無理なく学習を進められます。
類題が少ない分、「この問題は必ず解けるようにしよう」と集中して取り組めるのも特徴です。
自分にとって学びやすい方法を知ることで、勉強のストレスも軽減され、継続しやすくなります。
具体的な選び方のステップ
実際にどちらを選ぶべきか迷ったときには、以下のステップで判断してみましょう。
ステップ1.現在の学力を把握する
まずは模試や学校の定期テストなどを振り返り、自分の数学の実力を客観的に確認しましょう。
偏差値が50以下で基礎があやふやな人には基礎問題精講が、60以上である程度解ける人や得意にしたい人には青チャートが適しています。
ステップ2.勉強に使える時間を考える
青チャートは分量が多いため、毎日しっかり勉強時間を確保できる人に向いています。
一方で時間に余裕がない人や他教科とのバランスを取りたい人には、効率的に学べる基礎問題精講が効果的です。
ステップ3.目的や志望校レベルを明確にする
共通テストで7割を目指す人や日東駒専・産近甲龍レベルの私大を目指す人は、基礎問題精講でも十分対応可能です。
しかし、難関国公立や早慶・MARCHレベルを視野に入れている人は、より深い理解が求められるため青チャートでの学習が望ましいでしょう。
ステップ4.試し読みやサンプル問題で比較する
書店や公式サイトで中身を見比べて、自分が理解しやすいと感じるほうを選びましょう。
ネット上のレビューや学校の先生、先輩の意見を参考にするのもおすすめです。
ステップを踏むことで、自分に合った一冊が見えてきます。
基礎問題精講と青チャートの違いを知り、自分に合った勉強法で進めよう
基礎問題精講と青チャートは、どちらも受験数学の定番書です。
それぞれの特性を理解し、自分の学習スタイルや目標に合った参考書を選べば、数学を得点源に変えられます。
受験本番に向けて着実に実力を伸ばしていきましょう。
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