「大学受験の調査書には何が書かれているのか」「調査書は大学受験でどれくらい重要なのか」と疑問を抱えていないでしょうか。
大学受験では、多くの試験方式で調査書の提出が求められます。
学校推薦型選抜や総合型選抜では、学力試験と並んで調査書の内容が評価のカギを握ることも。
本記事では、大学受験における調査書の記載内容や提出方法、2025年度以降の変更点、調査書を取得する際の注意点を解説します。
調査書は大学受験の合否に関わる重要な書類のため、出願時に慌てないように早めに詳細を確認しましょう。
目次
大学受験に必要な調査書とは?
大学受験に必要な調査書について、内申書との違いや学校推薦選抜や総合型選抜で重視される理由を解説します。
調査書と内申書の違い
内申書は主に高校入試で使われる書類を指し、生徒の学業成績や生活態度を記録したものです。
大学受験で使用されるのが調査書で、調査書には高校3年間の学業成績や出欠状況、部活動、委員会、資格取得などの活動実績や人物評価も記載されます。
調査書は文部科学省が定めた様式に基づいて作成されており、全国で同じ書式が使用されるため、大学側も評価しやすい点がメリットです。
大学は受験生の学力以外のさまざまな情報、高校生活全体をどう過ごしてきたかを見るための資料として調査書を活用します。
推薦・総合型選抜では調査書が重視される
学校推薦型選抜や総合型選抜では、調査書が合否判定に大きく関与します。
一般選抜では学力試験の点数が主な評価対象ですが、学校推薦や総合型選抜では、調査書に記載された学業成績や活動実績、出席状況などが評価の判断材料です。
指定校推薦では高校と大学側が連携し、一定の評定平均や出席率を満たしていることが推薦条件になるため、調査書の内容は合否を大きく左右します。
総合型選抜では学力試験よりも書類審査や面接、小論文などを通じて、受験生の人柄や成長性、主体性などが評価されます。
日々の学校生活や定期テストの成績はもちろん、ボランティアや部活動、資格取得などの記録を積極的に残して、調査書の内容を充実させましょう。
大学受験の調査書に記載されている項目
大学受験の調査書には、学業成績に加えて、特別活動への取り組みや出欠状況、指導教員からのコメントなど多岐にわたる情報が記載されます。
調査書に記載されている項目を具体的にチェックしていきましょう。
氏名・現住所・学校名・入学した年・卒業見込みの年
受験生の基本的な個人情報が記載されています。
氏名や生年月日、現住所、在学中の高校名、入学した年、卒業見込みの年などが含まれます。
学業成績
高校3年間の各教科・科目の取得単位数と成績が5段階評価で記載されます。
各教科の評定平均値や全体の評定平均値も示され、受験生がどの程度の学力があり、どのように学習に取り組んできたかが読み取れます。
総合的な探求の時間の内容・評価
「総合的な探求の時間」は、高校生が主体的に課題を設定し、調査・研究をする学習活動です。
調査書には、取り組んだテーマや活動内容、得られた成果などが記載されます。
学校推薦や総合型選抜では、探求心や問題解決能力、主体的な学習態度を評価するために、総合的な探求の時間の活動を重視します。
特別活動記録
特別活動記録には、受験生が高校生活で取り組んださまざまな活動が記載されます。
具体的には、生徒会活動や部活動、学校行事、ボランティア活動、各種コンテストや大会への参加など。
大学が、受験生のリーダーシップや協調性、社会性などを評価する際の指標です。
出欠状況
出欠状況は、受験生の高校生活における規律性や健康状態を示す指標です。
調査書には、各学年の出席日数や欠席日数、遅刻回数、早退回数などが記載されています。
高い出席率は、受験生の学習への意欲や責任感を示すものとして評価されます。
一方で欠席が多い場合でも、適切な理由が説明されていれば、減点対象とはなりません。
指導教員からのコメント
指導教員からのコメントは、大学が受験生の学業への取り組み姿勢や成果、人物像を把握するのに役立ちます。
リーダーシップや協調性など、人間性も重要な評価ポイントです。
2025年度大学受験からの調査書はどう変わるの?
2025年から高校の学習指導要領導入に伴い、調査書の様式や記載内容が大きく変わります。
これまでの調査書と何が違うのか変更点を解説します。
調査書の変更点1. 総合的な探究の時間の記録
従来の調査書では、総合的な探究の時間における活動内容と評価が記載されていました。
2025年からは、総合的な探究の時間における活動内容に、以下の3つの観点での評価が求められるようになりました。
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に学習に取り組む態度
課題設定から情報収集、分析、発表までのプロセスを通じて、どのような能力が育成されたかを明確に記述することが求められます。
調査書の変更点2. 特別活動の記録
従来の調査書にも、ホームルーム活動や生徒会活動、学校行事など特別活動の内容が記載されていました。
2025年度入試からは、総合的な探究の時間以外の特別活動についても「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点での評価が加わります。
また、各活動に対して、該当する観点に「○」をつけて評価する形式です。
調査書の変更点3. 指導上参考となる諸事項
指導上参考となる諸事項は、部活動の成績や取得資格・検定、表彰・顕彰、ボランティア活動、留学・海外経験など特記事項を記載する欄です。
2025年度入試からは、情報を一つの欄にまとめ、要点を箇条書きで記載する形式に変更されます。
活動に関する詳細な情報は、調査書とは別に受験生が大学に提出する資料で補完することが想定されます。
大学受験で調査書が必要な場合の取得方法
大学受験で必要な調査書の発行には時間がかかる場合もあるため、早めに準備をしましょう。
在校生と浪人生に分けて、それぞれの調査書の取得方法を解説します。
在校生の場合
在校生が調査書を取得するには、在籍校の進路指導部や担任の先生に相談をして、学校指定の申請書の提出が必要です。
調査書の発行までに1〜2週間ほどかかる場合もあります。
特に学校推薦や総合型選抜など提出時期が早い入試形式では、注意してください。
学校によっては一度に申請できる部数に制限がある場合もあるため、計画的に行動しましょう。
浪人生の場合
浪人生が調査書を取得するには、卒業した高校に依頼する必要があります。
在校生と同じく、発行手数料や郵送費が発生することが多いです。
申請前に学校のホームページや進路指導室へ問い合わせて、手順を確認しておくと安心です。
大学受験に必要な調査書に関するQ&A
大学受験に必要な調査書に関するよくある質問に回答します。
調査書はコピーで提出しても大丈夫?
大学受験で提出が求められる調査書は、原本での提出が必要です。
特に学校推薦や総合型選抜では、調査書が合否に影響する大切な書類の一つになるため、コピーでの提出は避けましょう。
コピーでは受け付けてもらえないことが多く、厳封された原本を提出と明記されていることが一般的です。
開封された書類は無効になるのため、注意しましょう。
大学出願で調査書は何枚必要か?
出願1件につき、原則として調査書は1枚が基本です。
- A大学の一般選抜に出願:1枚
- B大学の学校推薦型選抜に出願:1枚
- A大学とB大学の両方に出願:合計2枚
複数学部や複数の方式に出願する場合も、それぞれに調査書の提出が求められることがあります。
調査書は再発行できる?
調査書の再発行は可能ですが、在校生と浪人生で手続きが異なります。
在校生は、証明書等交付願のような申請書に氏名や枚数、提出先など必要事項を記入して提出すれば、発行してもらえます。
ただし、調査書の再発行までに一定期間を要する場合が多いため、余裕を持って依頼しましょう。
卒業生は、母校に電話するか、母校のホームページからの申請が基本です。
疑問点がある場合、母校の事務窓口に問い合わせて確認しましょう。
現役か浪人に関わらず、調査書の発行には発行手数料が発生する点にも注意してください。
調査書の有効期限はいつまで?
調査書に、文部科学省などが定めた全国共通の有効期限が厳密にあるわけではありません。
出願締切日から遡って3ヶ月以内に発行されたものと定めているのが一般的です。
しかし、調査書の有効期限は、大学や学部、入試方式によって異なります。
あなたが志望する大学の募集要項を必ず確認してください。
募集要項の「出願書類」や「提出書類」の項目に、調査書の発行日に関する指定が必ず記載されています。
早く申請しすぎると無効になる可能性もあるため、出願スケジュールを逆算して、調査書を申請する時期を計画的に決めましょう。
調査書の重要性を理解して大学受験を有利に進めよう
大学受験において調査書は成績の記録に留まるものではなく、あなたが高校生活の中でどのように学び、成長してきたかを示す重要な資料です。
特に学校推薦や総合型選抜では、調査書が合否に直結することも珍しくありません。
出願間近で焦る前に、早めに準備して大学受験を有利に進めましょう。
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