大学受験コラム

浪人中の孤独感に押しつぶされそうなあなたへ

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浪人生として新たな1年をスタートしたものの、勉強が思うように進まなかったり、成績が伸び悩んだり、何より「ひとりで頑張る孤独」に押しつぶされそうになる日もあるのではないでしょうか。

現役生だった頃は、クラスメイトと一緒に授業を受け、笑い合い、学校のイベントに参加していました。でも浪人になると、日々の大半が「ひとり」。

SNSを開けば、大学生活を楽しんでいる友人の投稿が目に入り、焦りや劣等感、取り残されたような感覚に襲われてしまうこともあるかもしれません。

そんなあなたに伝えたいことがあります。

浪人中に孤独を感じるのは、あなただけじゃない。

そして、その孤独は、あなたの弱さではなく、むしろ“本気で未来に向き合っている証”なのです。

この記事では、浪人生が抱えやすい孤独感について、その原因や心の整理法、そして少しでも心が軽くなる実践的な対処法を紹介していきます。

なぜ浪人は「孤独」になりやすいのか?

浪人生が孤独を感じやすい理由は、いくつかの要素が重なっているからです。

1つは、生活スタイルの変化です。現役のときは、学校に行けば誰かがいて、自然と人と関わる時間がありました。でも、浪人になると、塾に通っている人でも授業以外は自習が中心。独学で勉強している人なら、ほとんどの時間をひとりで過ごします。

もう1つは、周囲との比較です。

SNSでは、友人たちが大学生活を楽しんでいる様子がタイムラインに並び、自分だけが“取り残されている”ような気持ちになる。

これは誰にでも起こる自然な反応です。

本当は、友人たちにも悩みや不安があるはずなのに、SNSには“明るくて楽しそうな一面”しか映らないため、自分との差を必要以上に感じてしまうのです。

さらに、「自分で計画を立て、管理し、結果を出さなければならない」というプレッシャーも、孤独感を強くします。

浪人は自由な分、すべてが自己責任。

誰かに「これやっときな」と言われることも減り、「自分で決め、自分で動く」ことの難しさにぶつかるようになります。

このように、浪人生が孤独を感じやすいのは、環境的にも心理的にも、とても自然なこと。

あなたが感じている孤独は、決して特別なものではありません。

孤独と向き合うための5つの考え方

孤独を完全になくすことはできません。

でも、孤独を“悪者”にする必要もありません。

少しでも気持ちが軽くなるように、孤独との向き合い方について考えてみましょう。

① 「孤独=悪いこと」という思い込みを手放す

多くの人は、孤独=寂しい、辛い、かわいそう…というイメージを持っています。

でも実は、孤独こそが、自分を見つめ直し、本当にやりたいことに集中できる時間でもあるのです。

誰にも流されず、自分のペースで過ごせる。

好きな時間に勉強し、休憩し、自分に必要なことだけを選べる。

これは、ある意味とても“贅沢な時間”でもあります。

一人でいること=不幸、という思い込みを少しずつ手放すことで、孤独に対する感じ方も変わってきます。

② 「焦る気持ち」があるのは本気の証拠

友達が楽しそうに大学生活を送っているのを見て、「自分だけが取り残された」と感じてしまうこともあるでしょう。

でも、焦りや不安があるのは、それだけあなたが“未来”に本気で向き合っている証拠です。

逆に、何も感じないとしたら、それは“今を諦めてしまっている状態”かもしれません。

焦る気持ちや嫉妬心は悪いことではありません。

それをモチベーションに変え、「来年は自分が充実した春を迎えるんだ」と前向きに捉えることで、行動につなげていくことができます。

③ SNSを“見ない”選択もしていい

浪人中にSNSを見てメンタルが揺れるなら、見ない選択も自分を守る大切な手段です。

毎日スマホを見ている時間のうち、どれだけが「自分にとって意味のある時間」でしょうか?

ストレスの元になるだけなら、思い切ってアプリを消す、通知をオフにする、時間制限をかける…そんな一歩を踏み出してもいいのです。

つながりを断つことではなく、“今、自分にとって必要なものだけを選ぶ”という行動こそ、未来への集中力を高めるカギになります。

④ “比較”を“観察”に変える

「〇〇はすごいな」「自分は全然ダメだ…」というように、人と比べて落ち込んでしまうときは、**“比較”を“観察”に変えてみる”**という視点が役立ちます。

たとえば、「Aくんは毎日〇時間勉強してる」→「じゃあ自分はどのくらいがベストだろう?」

「Bさんは苦手科目を克服してる」→「自分ならどこから手をつけよう?」

他人の情報は“ヒント”にするだけ。

評価ではなく、分析材料として見ることで、余計なストレスが減っていきます。

⑤ 「ひとりで頑張ってる自分」を認めよう

孤独に耐えながら、自分で勉強を進めているあなたは、それだけで立派です。

結果が出ていなくても、毎日机に向かっているだけでも十分にすごいことです。

人はつい「足りない自分」「できていないこと」ばかり見てしまいますが、ときには「今日やれたこと」「頑張れたこと」にも目を向けてみましょう。

毎日の小さな努力をちゃんと認めることで、心の中に“自己信頼”が少しずつ積み上がっていきます。

孤独を和らげる5つの行動アイデア

孤独を完全に消すことはできなくても、**少しでも軽くするための“行動の工夫”**はあります。

「誰かとつながる」だけが答えじゃない、“自分を支える仕組み”を作っていきましょう。

① 1日1つ“誰かと関わる小さな習慣”を作る

完全な孤立状態になると、気づかないうちに気持ちが沈んでいくことがあります。

そんなときは、毎日1つでも“人と関わる瞬間”を作ってみてください。

塾の受付で挨拶をする

家族と1分でも会話する

SNSで勉強アカウントをフォローする

週に1回、勉強記録を投稿してみる

深く関わる必要はありません。“誰かとつながっている感覚”が、孤独感を和らげてくれます。

② 「勉強の見える化」で自己肯定感を積み上げる

孤独な中で勉強を続けていると、「自分は本当に頑張れてるのか?」と不安になることも。

そんなときは、“勉強記録を見える形に残す”ことが効果的です。

手帳やアプリで勉強時間を記録する

ToDoリストにチェックをつけていく

「今日のよかったこと」を1行だけ書き出す

見える成果があるだけで、「やれてる自分」を実感できます。

これは、孤独の中でも前に進むためのエネルギーになります。

③ 「月1回のごほうび日」を作る

浪人生活は、先が見えない不安との戦いです。

だからこそ、「今月もよく頑張ったね」と自分をねぎらう日を、あえて作ってあげてください。

お気に入りのお菓子を食べる

好きなアニメを一気見する

文房具や本を買う

ちょっと良いカフェで勉強する

ごほうびがあると、日々の努力が“報われる感覚”になります。

これはモチベーションだけでなく、孤独な心を癒すセルフケアにもなります。

④ “話せる誰か”を1人だけ持つ

浪人中は、「愚痴や悩みを言える人」が1人でもいるかどうかで、精神的な安定感が変わってきます。

友達じゃなくても、家族でも、先生でも、SNSで出会った誰かでも大丈夫です。

月に1回メッセージを送り合うだけでも、支えになります。

「弱音を吐いたら負け」と思わなくて大丈夫。

頼ること=逃げではなく、前に進むための準備です。

⑤ 孤独な時間を「未来への投資」と捉える

最後に、孤独な今をどう捉えるか。

これが、1年間を乗り切るうえで何より大切なことです。

この1年の努力は、必ずあなたの未来を形づくります。

苦しくても、つらくても、静かに努力を積み重ねた経験は、きっと大学に入った後も、社会に出た後も、自信となってあなたを支えてくれます。

「この1年があったからこそ、今の自分がある」

そう思える日が、必ず来ます。

おわりに|孤独を味方にできた人は、受験だけじゃなく人生でも強い

浪人中の孤独は、本当につらくて、不安で、逃げ出したくなることもあります。

でも、その孤独と向き合いながら、自分で選んだ道を進もうとしているあなたは、何よりも強く、尊い存在です。

今はまだ見えない未来でも、信じて進み続けた人だけが手にできる景色があります。

だから、あきらめずに、今日も一歩。

小さくても、一歩ずつ。

あなたは、ひとりじゃありません。

静かに、確かに、同じように前を向いている浪人生が、全国にたくさんいます。

孤独な道を選んだあなたの未来が、どうか明るく実っていきますように。

心から応援しています。

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