大阪市が提供する塾代助成事業は、教育費の負担を軽減し、子どもたちが平等に学ぶ機会を得られるよう支援する制度です。
令和6年10月からは所得制限が撤廃され、多くの家庭が利用できるようになります。
しかし、申請方法や条件、カードが届くまでの手続きの流れなど気になる点は多いのではないでしょうか。
本記事では、大阪市の塾代助成事業の概要や申請手順を解説します。
塾代助成を受けるためには、申し込み方法や条件を正確に把握することが不可欠です。
お子さまの教育支援に関する情報を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
大阪市の塾代助成事業とは?
大阪市の塾代助成事業は、家庭の経済的負担を軽減し、子どもたちの教育機会を広げるために設けられた制度です。
大阪市はこの助成事業を通じて、教育格差の是正を図り、子どもたちの将来の可能性を広げることを目指しています。
ここからは、大阪市の塾代助成事業について詳しく紹介します。
塾代助成制度の概要
大阪市の塾代助成事業は、大阪市で平成26年から開始した子どもたちの学習機会を保障するための制度です。
学習塾や予備校、家庭教師、文化・スポーツ教室などの学校外教育にかかる月謝に対して、月額1万円を上限に補助がされます。
対象となるのは、大阪市内に居住する小学5年生から中学3年生で、一定の所得要件を満たす世帯の子どもたちです。
塾代助成の目的と背景
大阪市が塾代助成事業を導入した背景には、教育格差の拡大とそれに伴う社会的課題があります。
経済的に恵まれない家庭の子どもたちが、十分な教育を受けられず、進学や将来の選択肢を狭めてしまうという状況が問題視されてきました。
助成事業の目的は、経済的な壁を取り除き、子どもたちの学力向上や多様な体験を通じた個性や才能を伸ばす機会を促進することです。
また、近年の教育費の上昇が家庭の経済状況に与える影響を緩和するためにも、塾代助成事業は重要な役割を果たしてるといえます。
令和6年の助成制度の変更点
令和6年度の塾代助成制度には、いくつか変更点があります。
対象者は昨年度まで中学生のみでしたが、助成対象となる学年が拡大され、令和6年4月から小学5年生から中学3年生までが対象です。
助成額の上限も一部改定され、これまでは所得制限を設けていましたが、令和6年10月の利用分からは所得制限を撤廃することにしました。
ただし、里親や児童福祉施設などに措置または委託されている中学生は、一部対象外となりますので注意してください。
大阪市の塾代助成事業の対象者と条件
大阪市の塾代助成事業は大阪市内に居住し、指定の塾や習い事に通う子どもである必要があります。
以前まで所得制限が設けられていましたが、令和6年度より所得制限が撤廃される予定です。
ここでは、大阪市の塾代助成事業の対象者と条件について詳しく解説します。
所得制限と撤廃時期
塾代助成事業では、支援を必要とする家庭に重点的に助成を実施するため、助成を受ける家庭の所得に制限がありました。
しかし、令和6年以降は所得制限が撤廃され、より多くの家庭が助成を受けられるようになる予定です。
すべての家庭が経済的な負担を気にせずに塾に通える環境が整うことが期待されています。
助成を受けられる家庭の条件
助成を受けられる家庭には、いくつかの条件があります。
助成を受ける子どもは、住民票が大阪市にあることが前提条件です。
ただし、養育者は必ずしも大阪市内に居住している必要はありません。
助成の対象となる学習塾や習い事の教室が、大阪市の指定を受けていることも重要な条件です。
指定事業者以外の塾や教室では、助成を利用できないので注意してください。
助成の申請には年度ごとに必要な手続きがあり、定められた期限内に申請をしなければなりません。
必要書類の不備や提出期限を過ぎてしまうと、助成を受けられない可能性があるため、期限内に手続きをしましょう。
大阪市の塾代助成が利用できる事業者
大阪市の事業目的に賛同し、市に申請をして登録が認可された、有償でサービスを提供する事業者のみが対象です。
利用可能な事業者は学習塾だけにとどまらず、音楽やスポーツ、パソコン教室、オンライン塾など非常に多岐にわたります。
画像出典:大阪市習い事・塾代助成事業
ただし、教材を販売するのみの通信教育サービスは利用できないので注意しましょう。
2024年8月時点で、参画している事業者は約4,000件に上り、今後も増加が見込まれています。
大阪市の塾代助成を受けるための申請方法
大阪市の塾代助成を受けるためには、一定の手続きを踏む必要があります。
申請手続きには期限が設けられているため、早めに準備を進めることが重要です。
ここからは、申請に必要な書類や申請から実際に助成を受けるまでの流れについて解説します。
必要な書類(塾代助成・大阪市)
所得制限が撤廃されたため、所得証明書は不要となりました。
ただし、以下の条件に該当する場合は、いくつかの書類を準備する必要があります。
- 申請者が児童・生徒の父母で、児童・生徒と別居している場合:児童・生徒の「健康保険証」の写し、または「ひとり親医療証」の写し
- 申請者が大阪市外に居住している、または住民票と異なる住所に居住している場合:マイナンバーカード、 健康保険証 、 運転免許証のいずれかの現住所がわかる面の写し
- 申請者が里親もしくは施設長である場合:大阪市習い事・塾代助成事業の受給資格に係る申立書(里親・施設入所等)
- 児童・生徒が年齢に応じた学年と異なる学年に編入している場合:児童・生徒の「学生証」の写し、もしくは「在学証明書」
申請前に確認すべきこと(塾代助成・大阪市)
対象となる小学5年生から中学3年生の家庭に「大阪市習い事・塾代助成事業 利用登録申請に関する案内」(水色の封筒)と「大阪市習い事・塾代助成カード」(黄色の封筒)が別々に郵送されます。
黄色の封筒に同封されていてる「大阪市習い事・塾代助成カード」と「オンライン申請用パスワード(申請の案内に記載)」が申し込みには必要です。
画像出典:大阪市習い事・塾代助成事業
助成を希望する方は既に助成を受けている場合も含め、申請の手続きが必須です。
案内が届かない場合は、運営事務局に問い合わせましょう。
申請から利用開始までの流れ(塾代助成・大阪市)
申請方法は、スマートフォンやパソコンからオンライン申請か郵送です。
ただし、以下の条件に該当する方はオンライン申請ができません。
- 申請前にカードと申請書類がご自宅に届いていない方(市外より転入された方)
- 申請者が児童・生徒と別居している
- 申請者が大阪市外に居住している
- 申請者の居住地と住民票の住所が相違している
- 申請者が里親もしくは施設長である
- 児童・生徒の在籍学年が年齢から算出される学年と異なる
カードに記載されている「利用者コード」や申請用紙に記載されている「オンライン申請用パスワード」など、必要事項を入力して申請しましょう。
画像出典:大阪市習い事・塾代助成事業
「利用パスワード」が登録された住所に郵送で届いたら、大阪市習い事・塾代助成カードが使えます。
大阪市の塾代助成カードの利用方法と届く時期
助成金を利用するためには、大阪市の塾代助成カードが必要です。
カードの利用には、いくつかの手順と条件があり、事前に知っておくことでスムーズに利用できます。
ここからは、塾代助成カードの使い方や申請から受け取りまでの流れ、利用開始時期について紹介します。
塾代助成カードの使い方
塾代助成カードの使い方は簡単で、塾や予備校での支払い時にカードを提示し、利用額を伝えるだけです。
塾代助成制度で受け取る助成金は、1円単位で利用できます。
上限額を1ヶ所でまとめて使うことも、複数の習い事にわけて使うことも可能です。
例えば、学習塾で6,000円、体操教室で2,000円、英会話教室で1,000円と、月謝の金額や注力したい分野に応じて柔軟に配分できます。
カードは申請者本人のみが使用できるもので、他人に譲渡したり、現金化したりすることはできません。
紛失や破損した場合は、速やかに運営事務局に連絡し、再発行の手続きをしましょう。
塾代助成カードの利用開始時期
「大阪市習い事・塾代助成カード」は、そのままでは使用できません。
事前申請が必要で、「大阪市習い事・塾代助成カード」の資格審査には一定の期間がかかります。
画像出典:大阪市習い事・塾代助成事業
資格審査におよそ2ヶ月かかり、通知に関しては申請した翌々月中旬〜下旬を目安に送付されます。
申請時期や審査の進捗状況によっては、時間がかかることもあるので注意してください。
利用開始時期を逃さないためにもカードが自宅に届いたら、早めに利用方法を確認し、必要な手続きを進めましょう。
もし、利用先が決まっていない場合でも、カードの申請を先にすることをおすすめします。
塾代助成カードの利用方法
まず、専用ホームページの「教室等検索」や「教室マップから探す」機能を使い、通いたい教室を選びましょう。
そして、塾代助成カードと申請後に届く「利用パスワード」の2つを利用したい教室で提示し、カードを使用する旨を伝えてください。
毎月「大阪市習い事・塾代助成カード」を必ず教室で提示し、利用する際には「利用パスワード」が必要です。
サービスを利用した後は、運営事務局から利用明細が送付されます。
画像出典:大阪市習い事・塾代助成事業
利用内容を確認し、もし誤りがあれば運営事務局に連絡しましょう。
大阪市の塾代助成事業に関するよくある質問
ここからは、大阪市の塾代助成事業に関するよくある質問にお答えします。
- 塾代助成が利用できる事業者リストはどこで見れるの?
参画事業者は、「大阪市習い事・塾代助成事業参画事業者リスト」から検索することが可能です。
- 通いたい塾や習い事がリストにない場合は、登録のリクエストはできるの?
「参画事業者登録リクエスト送信フォーム」より利用者から運営事務局に、登録依頼ができます。
- 申請で困った時はどこに問い合わせれば良いの?
「大阪市の塾代助成事業の公式ホームページ」か、運営事務局に問い合わせしましょう。
大阪市の塾代助成事業を賢く利用しよう
大阪市の塾代助成事業は、教育費の負担を軽減し、子どもたちが平等に学ぶ機会を提供するための制度です。
令和6年度からの所得制限撤廃により、より多くの家庭が利用できるようになります。
申請方法や必要書類、助成カードの使い方など重要なポイントを把握して、賢く塾代助成事業を利用しましょう。
大阪市の塾代助成事業を有効活用し、学習環境を整えたり、新たな可能性を広げたりしてみませんか。
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