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【全受験生必読】数学の勉強法【全体編②】

この記事の対象:数学をどう勉強したらいいのかわからない受験生

この記事を読むのにかかる時間:3分(全体編①の記事を読んでいる方は2分)

 

数学は暗記なのか?思考力なのか?

 

数学は暗記だ。という言葉は受験界隈ではよく言われている話ですが、これは正しくもあり、間違ってもいます。

 

すなわち、ある段階においては数学は暗記なのですが、ある段階においては数学は100%暗記ではないのです。それを説明いたします。

 

 

数学の勉強を始めようとした時、もちろん勉強し始めですから持っている数学的知識は0です。このような時に数学の問題に対していくら考えを巡らせたとしても、あなたが数学的天才でない限りどうやって解けばいいかはわからないでしょう。

 

勉強し始めは「数学的操作をするための数学的道具」が揃っていないのです。この道具たちを知らなければ、数学の答案を作成することはできません。数学的道具は思考力をもってして自分で編み出すものではなく、元からあるものを覚えていくことで自分のものにできます。この時点では数学は暗記ということです。

 

さて、数学的道具を揃えた後はよりレベルの高い問題に取り組んでいくことになります。自分が知っている数学的道具をいくつも駆使してやっと解けるような問題は一つ一つ解法を暗記していたらキリがありません。

 

受験数学に必要な数学的知識を詰め終わった後の数学は思考力ゲーム、もっと詳しく言えば、どれだけ多くの解法をその問題に対してぶつけることができるのかの勝負になってきます。

 

この解法ではうまくいかなそうだな…じゃあこれならどうだろう?というようにいくつもアプローチを仕掛けて答案を作成していくわけです。

 

話をまとめますと、数学の勉強し始めは数学的操作を覚えなければいけないので暗記的要素が強いですが、そこを終えると数学は思考だと言えます。受験数学にはどちらの側面もあるということですね。

 

それでは、それぞれの段階においてどのような教材で学んでいけばいいのでしょうか?(基礎からその練磨の段階の数学の勉強に関しては全体編①で述べていますのでそちらをご覧ください)

 

 

数学的基礎に磨きをかけた後の参考書

 

前回の記事の最後では数学的操作力に磨きをかけるための段階まで参考書を紹介していきました。ここまでの段階の参考書は出題されている分野が絞りやすく、解法の選択肢が少ない問題ばかりでした。

 

この次の段階は初見の問題に対してどのような解法を選択していくかに焦点を当てていくことになります。この時期から数学は暗記ではなく思考力というフェーズに移ってきます。

 

必要な思考を具体的に述べますと、まず問題で聞かれていることはなにか?それはどうやったら求められそうか?という思考力になります。

 

問題で聞かれていることは、問題の全貌を把握しなければわかりません。何が起こっているかよくわからない問題では極端な例や簡単な例で実験をしてみて何が起きているのかを考えてみるところから始めるとよいです。

 

次にどうやったら求められている答えを導けるか?に関してですが、ここが一番肝心ですし難しいところです。思いつく限りのアプローチを試したが、正解に結び付きそうな解法が思いつかない場合は潔く答えを見ましょう。

 

そこで新たに得た又は気が付かされたアプローチがあればそれは「数学解法ノート」などを作り、ストックしていきましょう。思いつかないということは自分の中で弱点だったり盲点になっている可能性があるので、書き残しておくことで次に同じような考え方をする問題で詰まってしまう可能性を減らすことができます。

 

この段階でのおすすめの参考書は以下の通りです。

 

理系数学の良問プラチカⅠAⅡBや新数学スタンダード演習

青チャートや一対一対応の演習などで基礎を積み、磨いた後に適した問題集です。レベルも高すぎず、スムーズに移行していくことができます。問題の量としては新数学スタンダード演習の方が多いですし、別解も多数掲載されているので時間のある方は後者をおすすめします。

 

やさしい理系数学

上二つの問題集よりもレベルは高く、このレベルまで来ると入試標準レベルからそれ以上になってきます。問題に癖はありますが解答自体は汎用性の高いものになっているのでしっかりと吸収するようにしましょう。

 

上級問題精講ⅠAⅡB/Ⅲ

分野別に問題が収録されている「縦割り」の問題集の中では解説が丁寧かつ問題のレベルが最上級という良書です。「やさしい理系数学」よりも解説は丁寧ですので、時間がない方はこちらを先に取り組むとよいでしょう。有益な情報が多数掲載されているので必ず読んでおきましょう。

 

入試数学の掌握

ここまでの参考書で高度な問題に触れ、その解法までを身に着けた方だけが手をつけていい参考書です。よほどの自信がない限り手をつけてはいけません。これまでに紹介してきた問題集は問題を分野別にまとめた「縦割り」の問題集でしたが、「入試数学の掌握」はアプローチ別に問題を分けており、「横割り」の問題集と言えます。これだけ聞くとかなりやりやすく感じますが、扱われている内容や言っていることはかなり高度なものなのでこれまでに紹介した問題集がままならない状態だと理解できない部分が多いでしょう。