受験国語で高得点を取るための勉強法|現代文解説
1. 現代文の攻略法
現代文で高得点を取るには、読解力と設問への対応力の両方を鍛えることが重要です。読解力を高めるには、ただ文章を読むだけでなく、筆者の主張や文章の論理構造を意識的に捉える練習が必要です。設問への対応力とは、設問の意図を正しく理解し、本文から適切な根拠を抜き出して解答を導き出す力のことです。
読解力の向上 |
設問への対応力向上 |
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キーワード・キーセンテンスの把握 |
設問の種類と解き方のコツの理解 |
論理構造の理解(接続詞・指示語・段落構成に着目) |
消去法の活用 |
筆者の主張を読み解く練習 |
答案作成のポイント(根拠の明確化など) |
読解の際は、キーワードやキーセンテンスに注目することで、文章全体の要旨を掴みやすくなります。「しかし」「つまり」といった接続詞や指示語は、文章の流れを理解する上で重要な手がかりです。また、筆者は必ず何らかの主張を持って文章を書いています。その主張を読み解く練習を積み重ねることで、設問の意図を理解しやすくなります。
設問への対応力を高めるには、まず設問の種類を把握し、それぞれに合った解き方を身につけることが重要です。選択肢問題では、消去法を効果的に使うことで、正答にたどり着く確率を高めることができます。また、記述式問題では、自分の解答が本文のどの部分に基づいているのかを明確にすることが大切です。
1-1. 読解力の向上
現代文で高得点を取るには、読解力の向上が不可欠です。読解力とは、文章の内容を正確に理解する能力のことです。読解力を高めるには、いくつかのポイントがあります。
読解力向上のポイント |
説明 |
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キーワード・キーセンテンスの把握 |
文章全体の意味を左右する重要な言葉や文を見つけることで、筆者の主張や論理展開を捉えやすくなります。 |
論理構造の理解 |
接続詞や指示語に注目することで、文章全体の論理構造を把握しやすくなります。特に、「しかし」「ところが」「つまり」などの接続詞は、文章の展開を理解する上で重要な役割を果たします。また、指示語が何を指しているかを明確にすることも大切です。 |
筆者の主張を読み解く練習 |
筆者の主張は、必ずしも明示的に書かれているとは限りません。筆者の意見や考えを推測しながら読み進める練習が必要です。特に、評論では、筆者の主張がどこに書かれているか、どのような根拠に基づいているかを意識して読むことが大切です。 |
語彙力の向上 |
語彙力とは、言葉の意味を理解し、使いこなす能力のことです。語彙力が豊富であれば、文章の内容をより深く理解することができます。語彙力を高めるには、読書をする、辞書を引く、語彙問題集を解くなど、様々な方法があります。特に、現代文で頻出する語彙を重点的に学習することが効果的です。 |
これらのポイントを踏まえ、読解力の向上に努めましょう。
– 1-1-1. キーワード・キーセンテンスの把握
– 1-1-2. 論理構造の理解:接続詞・指示語に着目
現代文の読解において、論理構造の把握は正確な理解に不可欠です。特に、接続詞と指示語は文章の流れを捉える重要な手がかりとなります。
接続詞は、文と文をつなぐ役割を果たし、前後の関係性を示します。例えば、「しかし」は逆接を表し、前後の文が対照的な内容であることを示します。一方、「だから」は順接を表し、前の文が後ろの文の理由や原因となっていることを示します。このように、接続詞の種類によって文の関係性が変化するため、それぞれの意味を理解し、文章全体の論理展開を捉えることが重要です。
接続詞の種類 |
意味・役割 |
例 |
---|---|---|
順接 |
前の事柄が後ろの事柄の原因や理由 |
勉強した。だからテストで良い点が取れた。 |
逆接 |
前後の事柄が逆の内容 |
疲れていた。しかし、最後までやり遂げた。 |
並列・累加 |
前の事柄に内容を追加 |
彼は頭がいい。さらに、運動神経も良い。 |
対比・選択 |
前の事柄と比べたり、選択肢を示す |
コーヒーか紅茶、どちらがいいですか? |
説明・補足 |
前の事柄をまとめたり、補ったりする |
彼は怒っている。なぜなら、約束を破られたからだ。 |
転換 |
前後の話題を変える |
今度の旅行の計画を立てよう。ところで、パスポートの期限は大丈夫? |
指示語は、文章中の特定の語句、文、または段落を指し示す言葉です。指示語を正確に理解するためには、指示語が何を指しているのかを明確にする必要があります。「これ」「それ」「あれ」といった指示語は、文脈の中で何を指すか変化するため、注意が必要です。また、「このように」「そこで」「その時」といった指示語も、前後の文脈をよく読むことで、何を指しているのかを特定できます。接続詞と指示語を意識的に読み解くことで、文章全体の論理構造を把握し、筆者の主張を正確に理解できるようになります。
– 1-1-3. 筆者の主張を読み解く練習
現代文、特に評論文においては、筆者の主張を読み解くことが非常に重要です。
筆者の主張は、多くの場合、序論や結論といった分かりやすい場所に書かれているとは限りません。
筆者の主張を読み解くためには、以下の3つのステップを踏むと良いでしょう。
ステップ |
内容 |
---|---|
1. キーワードを探す |
キーワードは筆者が伝えたい内容を端的に表す言葉です。繰り返し使われている言葉や、強調されている言葉に注目しましょう。 |
2. 具体例と主張の関係を理解する |
具体例は主張を分かりやすく説明するために用いられます。具体例が何を説明しているのかを考えると、主張が見えてきます。 |
3. 論理構造を意識する |
筆者はどのような論理展開で主張を導いているのか、接続詞や指示語に注目して文章全体の構造を把握しましょう。比喩や対比表現にも注目することで、筆者の主張がより明確になります。 |
これらのステップを踏むことで、筆者の真意を汲み取り、より深い読解に繋げることができます。
評論だけでなく、小説や随筆においても、登場人物の行動や心情描写から、作者が何を伝えたいのかを読み解く練習を積み重ねることで、現代文の読解力が格段に向上するでしょう。
1-2. 設問への対応力
設問への対応力を高めることは、現代文で高得点を取るために不可欠です。
現代文の設問は、読解力だけでなく、設問の意図を正確に捉え、適切な解答を導き出す戦略も必要とします。
ここでは、設問への対応力を効果的に高めるための具体的な方法を解説します。
設問の種類 |
解き方のコツ |
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傍線部説明 |
傍線部の前後関係、指示語の内容、筆者の主張を踏まえる |
内容一致問題 |
選択肢の根拠を本文中に見つける |
空欄補充 |
前後の文脈から論理的に適切な語句を選択する |
意見要約 |
筆者の主張の中心部分を簡潔にまとめる |
設問を解く際には、消去法も有効な手段です。
明らかに誤りの選択肢を除外することで、正答に近づくことができます。
選択肢を吟味し、本文の記述と照らし合わせながら、矛盾や不一致を見つけるように心がけましょう。
また、答案作成の際にもいくつかのポイントがあります。
まず、設問の指示を正しく理解し、求められている解答の形式(抜き出し、要約、記述など)に従うことが重要です。
次に、解答は簡潔で明確に記述する必要があります。
本文中の表現をそのまま転記するのではなく、自分の言葉で整理して書くことが求められます。
採点基準を意識し、論理的な構成で解答を作成することで、減点を防ぎ、高得点を狙うことができます。
– 1-2-1. 設問の種類と解き方のコツ
現代文の設問には、大きく分けて「内容理解」「論理把握」「解釈・評価」の3つの種類があります。それぞれ効果的な解き方のコツを理解し、演習を通じて実践していくことが重要です。
-
内容理解:本文に書かれている内容を正確に読み取る問題です。
設問パターン |
解き方のコツ |
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キーワード・キーセンテンスを問う問題 |
キーワードは本文中で繰り返し使われている言葉、キーセンテンスは筆者の主張が端的に表されている文に注目しましょう。 |
特定の段落の要約問題 |
その段落中のキーワードとキーセンテンスを結びつけ、筆者が何を伝えたいかを簡潔にまとめましょう。 |
指示語の内容を問う問題 |
指示語が指す対象を本文中から探し出し、正しく理解しましょう。 |
-
論理把握:本文の論理展開を理解する問題です。
設問パターン |
解き方のコツ |
---|---|
筆者の主張の理由を問う問題 |
根拠となる部分を本文中から探し出し、論理関係を整理しましょう。接続詞や指示語に注目すると、論理展開が分かりやすくなります。 |
文章全体の構成を問う問題 |
各段落の役割を把握し、それらがどのように繋がっているかを理解しましょう。序論・本論・結論といった構成を意識することも有効です。 |
対比構造を問う問題 |
対比されている事柄を明確にし、それぞれの特徴を捉えましょう。「しかし」「ところが」といった接続詞に着目することで、対比関係を把握しやすくなります。 |
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解釈・評価:本文に書かれていない内容についても、自分の考えを踏まえて解釈・評価する問題です。
設問パターン |
解き方のコツ |
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筆者の考えを推測する問題 |
本文の内容を根拠に、筆者の意図や主張を読み解きましょう。 |
自分の意見を述べる問題 |
本文の内容を踏まえつつ、自分の考えを論理的に展開しましょう。 |
これらのコツを踏まえ、様々な設問に触れることで、現代文の読解力と設問への対応力を高
– 1-2-2. 消去法の活用
現代文の試験では、時間制限があるため、すべての問題にじっくり時間をかけることは難しいです。そこで、消去法を効果的に活用することで、正答率を高めつつ、時間短縮にも繋げられます。
消去法活用のメリット |
具体的な活用例 |
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正答にたどり着く近道 |
明らかに間違っている選択肢を除外することで、正答の選択肢を見つけやすくする |
時間短縮 |
全ての選択肢を深く吟味する必要がなくなり、解答時間を短縮できる |
難しい問題への対応 |
完全に理解できなくても、誤っている選択肢を除外できれば正答にたどり着ける可能性が高まる |
消去法は、特に選択肢が4つや5つある問題で有効です。選択肢を比較し、明らかに間違っている選択肢、または本文の内容と矛盾する選択肢を消去していくことで、正答に絞り込むことができます。
消去法を活用する際のポイントは、本文の内容をよく理解することです。本文と照らし合わせながら、各選択肢が正しいか誤っているかを判断します。
また、消去法はあくまで補助的な手段であることを忘れてはいけません。消去法だけに頼らず、本文を丁寧に読み、根拠に基づいて解答することが重要です。消去法は、どうしても判断がつかない場合や、時間がない場合に活用しましょう。
消去法を正しく活用することで、現代文の試験でより効率的に得点することができます。